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蹉跎暮容色
蹉跎(さだ)たり 暮の容色(杜甫)
「蹉跎(さだ)」とは時を過ごしてしまうこと、機を逸してしまうことを意味する。夕暮れの美しさはあれよあれよという間に変化して、待っていてくれない。まことに「蹉跎(さだ)」たるものがある。
人それぞれに美しい暮景に出会った経験がおありだろう。書作はそのようなイメージをよみがえらせてくれる働きを持っている。
うつろいやすいものだから、なおさら美しい、ともこの句は言っている。幸いにも、我々の記憶はそれを保持することができる。
作者 町田由溪
隷書 書刻 ヒノキ板 彫込 18×70
出典 杜甫
制作 2003
番号 会00049
作者 : 4.会員
掲載 : 2009/07/04