(21)妙ぎ亭≪岡村大≫

八年前に私が書いて彫った伊豆のお蕎麦屋さんの看板です。中央区の看板めぐりをしているわけですが、今これが新富町の稽古場にデンとあるので、ついでながらお目にかけます。
伊豆の海風がどのくらい板を傷めるか気がかりでした。案の定、かなりの強風に曝される所で、上部の白太にかかる部分は朽ち果てて落下寸前でした。そこでとりあえず下ろして新富町に送ってもらいました。新たに作り直すという話もあったのですが、開店当初から苦労をともにしてきた看板ですので、できるだけ原形を保って修理してください、という言葉に元気が出ました。
材は木曽で見つけたケヤキです。新木場のケヤキ専門店で「やはり伊豆には伊豆の木でしょうか」と尋ねると「いや、大丈夫だよ。これはいいケヤキだから赤身の部分を残しておくだけで大丈夫」と太鼓判を押してくれ、裏面の白太を取り除いて、上部に固定剤を注入してくれました。そこで文字の上のところだけ接ぎ木をしました。この板のトモギレをとっておいたのでそれを使っています。表面はすっかり白くなっていましたが、ちょっとヤスリをあてると赤身の茶色が出てきます。さすがケヤキです。岩絵具の黄緑青に緑瑪瑙を加え、緑っぽさをやや抑えました。漆で固着していますから雨がかかっても色は落ちません。ヨコ182×左タテ57の大きさです。
左の関防印はソバチョコの形で「和楽(金箔押)」ご主人宇枝さんの愛妻妙子さんの「和やかで楽しいお店に」という気持ちからです。右の落款のところは「宇枝氏(アルミ箔)」下に私の「大書并びに刻」と入れ、左書きなので印もすべて時計回りにしています。(銀はすぐ酸化するのでアルミ箔がよい) 新年に間に合うよう明日にでも発送の予定です。
■妙ぎ亭 伊東市富戸916-64 0557-51-6272
R135号「城が崎海岸入口」からR109号に入って最初の信号を直進。ゴルフ練習場のすぐ先。伊豆にお遊びの際にはぜひ妙技を味わってください。
※手前味噌になったところで、このシリーズを一段落させて来春から話題を変えます。
なお「看板めぐり」は別メニューで続ける予定です。では皆様よいお年を。
掲載日時 2008 年 12 月 26 日 - PM 09 : 11
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