(2)宮川本店≪高林五峯≫

青溪会の稽古場(新富町)から、平成通りの築地橋をわたると、右側にうなぎの老舗「宮川本店」があります。
看板は店内にあり、外からは見えませんが、高林五峯(1861~1935)の書いた隷書の大作です。大正から昭和初期にかけて活躍した在野の書家で、師は高林二峯(1819~1897)、日下部鳴鶴より20歳ほど年長。妙義・榛名山を仰ぐ山間の村に生まれたので二峯を名のりました。五峯はその嗣子。三峯、四峯があったか私は知りません。日本橋本石町に高林塾があり、門弟数千人、良家の子女は「五峯に書を学ばなければお嫁に行けない」といわれるほどでした。
ケヤキの一枚板にいわゆるカマボコ彫り、文字の金箔はとうに風化して下地の漆が黒く露出し、ぬらりとして「うなぎ」らしい風格です。「店」の字が「廛」と本字になっています。略字には目もくれないこの時代の書家の背筋が見えるようです。

■宮川本店 中央区築地1-4-6 03-3541-1292 初代・渡辺助之丞が明治26年に創業。日本橋の栄太楼本店の看板も五峯。(35)に掲載。
地図
掲載日時 2008 年 08 月 01 日 - PM 01 : 02
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