(28)野の花「司」の「千客萬来」
銀座松屋の裏通りの野の花、茶花を扱っている花屋さんです。看板ではありませんが、目立つ正面に下がっており、「千客萬来」の願いがこめられています。千の客がその十倍もやってくる、なんてなかなかいい文句ですね。「千変萬化」「千軍萬馬」「千秋萬歳」「「千紫萬紅」など、千と萬を組み合わせた熟語はたくさんありますが、これなどは最も出番の多い人気キャラです。
板に彫ってあるので目にとまりました。よく見ると文字の輪郭を巾の狭い丸刀で彫っただけです。これを境にして文字にクリーム色を施したので、板の焦げ茶色を地にしてよく映えています。板はいわゆる「はぎ(接ぎ)」もので、板同士を糊で「継ぎはぎ」してできたものです。「はぎ」のよいところは反ったりせずに丈夫なことです。一枚板はどうしても反ったり、ヒワレが生じたりしますが、接(は)いだ板にはそれがありません。もっといいのは安いことでしょう。
板は「はぎ」でも、このように静かな色調で語りかけるのもいいものです。字もおおらかで思わず店のなかに吸い込まれそうです。「なにぶんにも古いもので、誰が書いたかわかりません」とのことでした。
■野の花「司」 中央区銀座3-7-21 野草を生け込みや宅配してくれる。大都会の真ん中らしい花屋さん。℡03-3535-6929
掲載日時 2010 年 01 月 30 日 - PM 06 : 43
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