じゅんよ せいさい りつりょ ちょうよう
閏年(うるうどし)をもうけて、余った時間を補い一年(歳)とする。こうして暦が整う。それはあたかも音楽における律呂(今のドレミなどの調にあたる)のように、調べが整ったのである。
「調陽」は「陰陽が調う」ことで、律が陽調、呂が陰調である。細かい音楽的説明はともかく、うるう年によってめでたく一年が整ったと言いたいわけである。「餘を閏として歳を成す」と読み下しておこう。
【字形説明】
成 中が丁の形になっているのは篆書字形《※》に合わせたものである。もちろん普通の成の楷書でもよい。《※》
歳 上は「山」になっている。篆書では「止」であったが、楷書ではすっきりと「山」にしてしまった。このように楷書の美的嗜好から変化した字形もある。この場合活字のほうが古形(篆書形)《※》を留めていることになる。中を「示」と書いている。このような例もなくはないが、横画は一本だけのほうが普通。 《※》 なお『干禄字書』ではここを「少」とするのが「正」だとしている。篆書に近づけたのである。
呂 今は二つの口の間に連結線を入れるが、楷書字形では入れないほうが普通である。欧陽詢の「九成宮」などでも、宮という字は口ふたつだけである。
調 ツクリの「周」の(土の)アタマとシッポを突き出す。これは前の「騎侍郎周」の「周」ですでに説明した。
陽 楷書では日の下の一本を省略することが多い。このほうがカッコウをとりやすい。《※》
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