52 都邑華夏 東西二京

52 都邑華夏 東西二京

     とゆう  かか    とうざい にけい

 都も邑(むら)も花盛り。東西の二つの都、それは洛陽と長安。

 邑(ゆう)は村に同じ。邨とも書く。
 「華夏(かか)」は繁栄していることを表す熟語。夏の真っ盛りに咲き誇る花々のイメージだろう。中華人民共和国の「華」であるが、簡体字では「化」の下に「十」という字形にしてしまった。おかげで少しも華やかでなく、「化ける」みたいで気持ちが悪い。国名に使うほどの字をこんな無粋な形にするとは、何たるセンスの悪さか。

 梁の武帝の時代、洛陽と長安との二京があった。どちらもさびれていなかったのであろう。このあと唐代に太宗が長安に都を置いたので、長安のほうがにぎやかになる。

 ここから韻が変って61までが第四段となる。

【字形説明】
 者の日の上に点を打つのは「康煕字典」から。『干禄』では点がない。
 「ゆう」と読む。「村(そん)」という字は後世にできたので楷書、行書にはあるが、隷書にはない。そこで、隷書で私が「岡村」と書くときは「岡邨」とする。
 中の部分を表記のように「十十」としても「華」とつなげてもよい。古形では「人人」もあった。
西 四画、五画を曲げずにまっすぐに下ろす形も美しい。欧陽詢などはそう書いている。洒(さい)、栖(せい)などを見ると『干禄』では曲げるようだ。
 古くは中の口は日で、「亰」と書いた。『干禄』でそれを「通」、京を「正」とした。「涼、景」なども同じである。

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