27 徳建名立 形端表正

27 徳建名立 形端表正

     とくけん めいりつ   けいたん ひょうせい

 徳を積めば面目が立つ。容疑を整えれば言動も正される。

 ここは「徳」と「名」、「形」と「表」が理解のキイワードである。
 多くの注釈書は「徳が建てば名声があがる」としているが俗解であり、こんな低レベルの解釈をする学者があるとは驚きである。ここは次の行に「形を整えれば表も正」と補足説明までされているではないか。「表」は実の表れたものをいう。形式から入って内実がおもてに表れるようになる、という真理をのべている。

 そこで前段の「名」は名声の意味ではなく、人間の内容(実)を表すことば、名前、名称の意味である。人間が徳を建ててこそ(確立してこそ)名のある一人前の人間になる。そうでなければ名前なぞあってなきに等しい。伝統的な稽古事はみな形式をタタキこむ。形が整えばおのずと内容をともなう、とはすばらしい教えだ。「有名になる」などと読んではこちらが恥ずかしい。

【字形説明】
 初唐までに「徳」が定着していたが『干禄』で四の下に一本ヨコ棒を付け足した。「聴」も同じ。
 上の山の最後を斜めにひっかけるのは篆書字形の名残りである。20の「豈」と同じ。
 初唐形では表記の字形が通用していたが『干禄』で「正」に改めた。「正」ではあまりにマトモすぎて様にならない。草書形に近い表記の字形のほうが好まれる。

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