20 恭惟鞠養 豈敢毀傷

20 恭惟鞠養 豈敢毀傷

     きょうい きくよう   がいかん きしょう

(五つの徳目の第一は父母の恩である。)大切に養い育てられたことに恭しく思いを致せば、どうして身体髪膚を敢えて傷つけたりしようか。

 鞠も養も同じ意味で、養育のこと。親に養育されたことをいう。中国の徳目の第一は「親の恩」である。

 何を毀傷せずなのかは書かれていないが、「身体髪膚。これを父母に受け、敢えて損壊せず(孝経)」を踏まえていることは明らかである。そのために前句で「此の身髪」とあらかじめ言っているので、このあたりの文脈はなかなか鮮やかであるといえよう。

「恭シク鞠養ヲ惟(おも)ヘバ、豈(あ)ニ敢テ毀傷センヤ」と読み下す。


【字形説明】
 「きく」と読む。意味は「やしなう」。字形は革ヘンで「蹴鞠」を表すようだが、身ヘンと同様に扱われ、大切に育てられることを意味するようになった。
 「き」とも読むので「きかん」とする本もある。一般的には「がい」である。上部の山をこのように下に引っ張らなくてもよい。篆書ではこの山を斜めに傾けるので、楷書でも初唐までは傾ける形が多かった。そのなごりを留めたのである。
 すでに述べたように「場、陽、楊、湯」などのツクリを表記のように書くのは「干禄」以降であって、初唐までは横画が一本少ない。このほうがすっきりして美しいからであろう。天溪は「干禄」以降の形を用いている。

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