19 蓋此身髪 四大五常

19 蓋此身髪 四大五常

     がいし しんはつ   しだい ごじょう

 (ここから話題がかわり、人倫をのべる。)けだし、このわれわれの身体髪膚は、四大よりできており、五常の徳を備えている。四大とは地・水・火・風。五常とは仁・義・礼・智・信である。

 韻が変るわけではないが、前句までを一区切りとし、ここから章を改めるのが伝統的な解釈である。話題は天地の理から、天子の徳治を説き、ここから人倫へと話題を移す。

 そもそも我々の身体は地水火風よりなるという。この構成要素は中国伝来の思考法で、四大和合つまり構成要素のほどよい調和が望ましいことになる。またこの四つは循環的に関連しあって、今の言葉に直せば、エコロジカルな世界環境を作り上げている。

 徳目は仁義礼智信の5つ。説明をするまでもないだろう。

【字形説明】
 この字形は『康煕字典(1716)』が篆書形に戻したものである。『干禄』では初唐形の「盖」をそのまま採用しており、『五経文字』も同様である。楷書の歴史では早くから篆書形を離れ、「盖」として定着したとみなしてよい。しかし『康煕字典』がこのようなグロテスクな形にし、それが現今の活字にされている。「去」の部分は『康煕』のいう異体字形である。古くは「厺」とする。
 表記の形が「初唐形」では一般的であった。『干禄』で「此」のようにヘンとツクリを分けた。『干禄』の基本理念として楷書は部首を明確にせねばならず、草書形とは一線を画そうとしている。しかし、根拠とされた『説文』の部首建てには問題が多い。
 活字では中に収まる「八」の最後をハネ上げている。しかし私はここをハネ上げる楷書を見たことがない。「西」「酉」などの字も同様である。明朝活字のデザイナーの勝手な創出であろう。

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