18 化被草木 頼及萬方

18 化被草木 頼及萬方

      かひ  そうもく  らいきゅう ばんぽう

 (聖人の)感化は草木をも被(おお)い、その信頼は萬民にまで及ぶ。

 ここも対句になっていて「被」と「及」は同じ意味である。「草木にまで及ぶ」としてよいところだが、同じ字を使わないルールがあるので「おおう」(被)を用いた。

 「化」は感化、徳化であろう。「頼」は信頼、国家の信用度である。トップの言葉がブレていては治まりようがないことは子供にもわかる。

 「萬方」は萬民の意味で方角のことではない、と注記する本もあるが、それは「萬方(すべての方向)」という意味からほぼ自動的に派生する内容なのであって、「方」は「民」の意、と記すのは間違っている。方に民の意味があるのではない。

【字形説明】
 コロモヘンをこのように書くのは、ツクリの「皮」との調和をはかったからで、衣の3画目を中央に寄せただけである。
 クサカンムリをこのように書くのは、左どなりの「萬」のアタマと同形になるのを避けたのである。
 ツクリはこれが正しい。しかし略して「頁」と書くことも隷書時代から行われてきた。『干禄』では「頼」は「通」としている。

 白川静氏は旧活字の形(左画面)に戻すべきだと主張しておられるが、それは篆書形の「又」にこだわったもので、形としてはあまり感心しない。
 上の点は打った点を右上に抜くのである。「被」の点も同じ筆法。左下にハネているのではない。

「18 化被草木 頼及萬方」の印刷用画面はコチラ

この見本文字を利用したら、右記リンク先から写真をお送りください。 - 青溪会への通知