10 龍師火帝 鳥官人皇

10 龍師火帝 鳥官人皇

     りょうし かてい   ちょうかん じんこう

 (その海に潜んでいた)龍が現れたという報告を聞いて、五帝の一人がめでたいとして師長の職名に用いた。この神話の帝王は人類に火を教えたとされる火帝。(あま翔ける)鳳凰が現れた時には、三皇の一人が長官の職名に用いた。三人の皇帝とは天皇・地皇・人皇である。

 龍と鳥が前文をうけている。「鳳」としたいところだが、後段に「鳴鳳在樹」というきれいな句があるので、ここは「鳥」で妥協したのである。「師」と「官」は対句をなしている。両方の字に共通の意味をさぐる姿勢が千字文解釈には望ましい。師は「先生」の意味もあるが、ここは「師長」「長官」であろう。

 中国伝説上の名君は「三皇五帝」の名で親しまれている。「人皇」「火帝」の順にできなかったのは「皇」が韻を踏むからで、ここまでずっと句末に「平声」の音で通しているから、句末に皇を置いたのである。

 それぞれの帝王の事蹟は諸説あって「火帝が誰か」、「龍をとりたてたのは伏羲(ふっぎ)という人物」などなど、資料によって記載が違う。いちいちあげつらっていてもはじまらない。いにしえの偉大な王の話なのだと理解しておこう。
 なお「りゅうし」でなく「りょうし」と読むのは日本での伝統的な読み方で「文選(もんぜん)読み」という。「りゅう」としている本もあり、どちらでも構わない。

【字形説明】
 龍の楷書字形はもうひとつある。《※》
 最初の点は「鳥」の字のアタマのようにしてもよい。
 最初の部分は点・横棒でもよい。この形はちょっと玄人好みだ。
 上部は白のようにせず自のように書く。このほうがカッコよいからである。右のタテ画は突き抜けてもよい。

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