はいぼう めんらく ふい きょけい
背後に芒山(ぼうざん=山名、邙山とも書かれる)、前は洛水(川の名)に面している。これは東の洛陽。
渭水に浮かび、涇水によりそっている。これが長安。
洛陽は背後に邙山(ぼうざん)、前面に洛水という絶好の立地条件にある。
長安も八つの川に囲まれており、渭水、涇水のほかにあと六つを数える。川に守られた地形である。前句に東西の二つの都を出したので、ここでその周囲の環境を述べたのである。
いにしえの首都は同時に城郭である。長安城ともいう。周囲に掘割りをめぐらしたように川を配置する立地条件が大切だし、背後には山をひかえるというのも王城の基本である。
【字形説明】
芒 活字のように、「亡」と書くのが楷書の伝統である。ただし下部のL字形は上に突き出してほしい。「カクシガマエ」ではないのであるから。現今の活字では正しい「亡」形はない。表記の天溪の「人」形は『説文』の篆書形に近づけたものである。『九経』に「説文」の形だと出ている。筆書としては下図(1)のように書くのがよろしい。
據 「トラガマエ」をこのように書くのは『干録』以降であって、下図(2)のように書くのが伝統的な楷書(初唐形)である。
涇 これもすでに類似の字形で述べておいたが、「く」を三つ並べる形は篆書字形に合わせた『干録』にはじまる造字である。「ス」の下に「土」が本来の形。下図(3)。「圣」と、「又」にすることはむしろ少ない。径軽経などの字も同じである。
(1) (2) (3)
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