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120 土佐日記 序
土佐日記 序 (紀貫之)
作者 野呂純子
かな 書軸 半懐紙 36.5×24/48×85
出典 紀貫之 土佐日記 序
制作 2015 中央区書道展
番号 会00120釋文
【釋文】土佐日記 序
男もすなる日記といふものを女もしてみむとてするなり。
それの年の師走の二十日あまり一日の日の戌の時に門出す。
そのよしいささかにものに書きつく。(門出)
ある人縣の四年五年はてて例のことどもみなしをへて解由などとりて住む館よりいでて舟にのるべきところへわたる。かれこれ知る知らぬ送りす。年ごろよく比べつる人々なむ別れがたく思ひて日しきりにとかくしつつののしるうちに夜更けぬ。
金砂子を蒔いた料紙に散らし書き。
土佐日記は漢文体の「具注暦」という今でいう男性の当用日記のようなものに書き留めたメモをもとにしたらしい。
「男もすなる日記といふものを、女のすなる仮名書きで、男の私(貫之)が女言葉で、とてするなり」という込み入った作文意図なのである。
声に出して読んでみよう。
作者 : 4.会員
掲載 : 2015/11/13