会員の作品
119 花の色は 雪にまじりて
花の色は 雪にまじりて見えずとも
香をだに匂ほへ人の知るべく (小野篁 古今335)
作者 野呂純子
かな 書軸 17×68/28×130
出典 小野篁 古今335
制作 2015 中央区書道展
番号 会00119
こういう表装は「聯軸」といい、一つの軸に二枚が収まっている。一枚ずつ段違いにして紙の四周に細い筋をめぐらしている。この筋を「副輪」という。背面の緞子は一つの布で「丸表装」である。丸表装で紙の上下に金襴の「一文字」がないものを「文人仕立て」という。
ちなみに二本の軸になると「對聯」である。
歌意は「花の色は雪にまぎれて見えないけれど、せめて香りだけは匂っておくれ。皆が分かるように」と分かりやすい。
この花は梅であろう。早春のまだ雪が降るころに咲くからである。「花の色はうつりにけりな」の小野小町の花は若い女性の色香であるが。
作者 : 4.会員
掲載 : 2015/11/12