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91 寒来暑往 秋収冬蔵
寒来暑往 秋収冬蔵(千字文)
作者 今井三司
出典 千字文(3)
楷書 書額 紙本濃墨 半切1/2
制作 2010
番号 会00091
楷書を習う人は「千字文」に挑む。ここは始めの三句目で、「寒い秋が来て暑さも去り、秋に収穫して冬に蔵(しま)う」という意味である。このあたりは誰でも手をつけるので、憶えのある人も多かろう。後段になるとさすがに書いている人は少なくなる。千字というのはそう容易い数ではないことがわかる。
「往(オウ)」という字は活字ではツクリが「主」で、テンに「王」であるが、書道では伝統的にテンではなく、表記の作品のようにタテの一本棒を貫く。思うに「住(ジュウ)」と区別するためであろう。ギョウニンベンを表記のように書くのはバリエーションのひとつで、隷書風。憶えておきたい。
「來、暑」は『康煕字典』の字形。「来」でよく、「者」に点をつけて「白」と書くのは今日の研究では誤りとされている。「収」のツクリは「又」ではなく「攵(ボク)」が正しい。
作者 : 4.会員
掲載 : 2012/05/17