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雲薄翠微寺
雲は薄し翠微寺(杜甫)
「翠微寺(すいびじ)」は実際にある寺の名。翠(みどり)が微(わず)かなる寺というので、詩人の心が敏感に反応し、「雲は薄し」とあわせたのである。このように寺名や地名をたくみに取り込むうまさは杜甫の独壇場である。文字に対する感性のひらめきを私は感ずる。寺には山号というのがつきものだから、さしずめここなどは「雲薄山」(うんぱくざん)・翠微寺」としたいものだ。
板はヒノキで幅もあり良材である。この5文字の背景になっている空の色を文字にあてはめた。
隷書 書刻 ヒノキ板 彫込 峰彫
23×48
出典 杜甫
作者 高倉朋溪
番号 会00039
作者 : 4.会員
掲載 : 2009/04/02