2009年6月 会員の作品
石欄斜点筆
石欄(せきらん)斜めに筆を点ず(杜甫)
石造りの建物は欄干も石である。日本の社寺は木造なので木の欄干に宝珠がついているイメージになる。紫禁城を訪れて我々がびっくりするのは、階段、欄干のおびただしい石の彫刻であろう。
石欄を遠くから見ると斜めに点々と筆跡をつけたように見える、と書の国の詩人らしい観察をしている。古人は筆を手に詩想を練ったのである。今日の詩人はワープロなのでこうは行かない。
そういわれて、確かに習字では点は斜めに打っていることに気付く。まっすぐタテに点を打つことはほとんどない。斜め45度が定位置だといえる。欄干が斜めに造られるはずはないから、これは光線の加減でそう見えたのであろう。
板は木曽のヒノキである。「キソヒ」と愛称される。年度課題として皆でキソヒに挑んだときのもので、「天然木」の焼印のある上物だった。
この硬質な隷書の線は作者・松溪独自のもので、日下部鳴鶴の隷書の延長線上にある。大成させたら書道史に残るレベルだと思う。
作者 齋藤松溪
隷書 書刻 ヒノキ板 彫込 峰彫 21×50
出典 杜甫
制作 2003
番号 会00048
作者 : 4.会員
掲載 : 2009/06/27 上に戻る
心外無別法
心外に別法無し(楞厳経)
仏教ではすべてが心中にあるとする。外界だと思っている宇宙も実はおのが心の中にしか存在しえない。世界を支配する理法もわれわれの外にあるわけではない。そこで「心外に別法があると思うなよ。お前さんの心をよく見なさい」となる。諸悪の根源は自分なのだ。
これじゃボヤきたくともボヤけないね、とボヤこうではないか。
丸ノミで横に浚って広がりを出している。この茶色は「岱赭(たいしゃ)」という顔料で赤系のものを用いた。
作者 齋藤松溪
楷書 書刻 ホウ板 浮出彫 29×72
出典 楞厳経(りょうごんきょう)
制作 2003
番号 会00047
作者 : 4.会員
掲載 : 2009/06/20 上に戻る
天工清新

天の工(たくみ)は清新なり
自然の造化は清新なること驚くばかり。天に対する畏敬の念を忘れないようにしたい。
写真はアオって撮ったように斜めになっているが、これはこういう形の板で、神代ケヤキである。土中に埋もれて発見されることがある。古いものだというので「神代」の名をつける。なかば化石化しているので土中の鉄分などが定着するらしく、黒くなり、重くなり、硬くなる。彫りにくいといえばいえるが、どちらかといえば硬い木のほうが楽である。
作者 木村大太
篆書 書刻 神代ケヤキ 彫込
出典 とくになし
制作 2002
番号 会00046
作者 : 4.会員
掲載 : 2009/06/06 上に戻る
