目次:キッズコーナー
好雨知時節

好雨 時節を知る(杜甫)
作者 村松奈津子(小6)
書刻 朴板 浮出彫 群緑 金箔押
20×69
番号 児00045
時期がくればタイミングよく雨が降ってくれる。まことに雨というものは時節をわきまえているかのようだ。
奈津子も中学になり部活やらで仕上げるのが遅れてしまった。書いたのが昨年の12月、まだ6年生だった。10月に箔押しが済んだので、かれこれ1年近くかかったのである。この地色は群緑(ぐんろく)という。群青(ぐんじょう)」と緑青(ろくしょう)との混合。日本画の色名を覚えることも伝統に親しむ一助である。中央区の書道展では小中学生は「半切1/4の書」と制約があるので、こうした書刻作品は出品できないのが残念である。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2011/11/24 上に戻る
人影在地仰見月 好風送涼秋月夜
人影地に在り仰いで月を見る(蘇軾)
好風涼を送る秋月の夜
作者 友野克哉(中2)
村松奈津子(中1)
楷書 書軸 紙本濃墨
半切1/4
出典 人影(蘇軾)
好風(なし)
制作 2011
63回中央区書道展
番号 児00044
右の蘇軾の句は「後赤壁賦」にあるが、「見明月」となっている。「明」を省いて7字にした。中学生になると字形もしっかりとしてくる。良い字形を見て眼識を高める時期に入ったのである。これからが楽しみだ。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2011/11/17 上に戻る
一夜秋風揺老樹 秋風旅雁帰
一夜の秋風老樹を揺がす
秋風旅雁帰る
作者 小嶌裕貴(小6)
永井淳貴(小5)
楷書 書軸 紙本濃墨
半切1/4
出典 一夜(広瀬淡窓)
秋風(王湾)
制作 2011
63回中央区書道展
番号 児00043
どちらも秋風の漢詩。かたや老樹を見上げ、かたや雁の列を見送っている。都会の子供には縁の薄くなったシーンであろう。いずれこのような自然が東京の空に戻ってきてほしい。君たちの代に。写真は会場で撮ったものを部分的に引き伸ばしたので、どれもピンボケです。あしからず。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2011/11/10 上に戻る
獨坐対月心悠々 仰観連山頂
獨り月に対して坐し、心悠々たり
仰ぎ見る連山の頂
作者 高橋桃子(中2)
菊地裕一(中2)
楷書 書軸 紙本濃墨
半切1/4
出典 獨坐(蘇舜欽)
仰観(なし)
制作 2011
63回中央区書道展
番号 児00042
「仰ぎ見る」の出典はなく私の作文である。
桃子も裕一もあと一年で「小中学生の部」を卒業して「一般の部」に格上げされる。中央区書道展では高校生以上が大人扱いなのである。そろそろ子供の字から脱皮しなければならない。目下「入筆」の訓練をしている。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2011/11/03 上に戻る
古道行人少 明月故郷夢
古道行く人少(まれ)なり(耿湋)
明月故郷の夢(李成大)
作者 斎藤絵夢(5年)
尾嵜優希(5年)
書軸 紙本濃墨 半切1/4
制作 2011
63回中央区書道展
番号 児00041
5年生ともなれば、そろそろ漢詩というものに親しむ準備も必要である。
五つの漢字の読み方と、区切り方のやさしい詩句を選ぶ。
それらの漢字から呼び起こされるイメージの世界を、私は身振り手振りで今見ているかのように物語るのである。
なお「古道」の出典の詩人は「耿湋」は「こうい」と読む。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2011/10/30 上に戻る
故郷夢
こきょうのゆめ
作者 尾嵜優希(小5)
団扇 濃墨 24×34
制作 2011年8月
番号 児00040
作り方はひとつ前の「作品番号39」の桃子のところに書いた。団扇の紙をはがすのが一仕事で、丹念に取り除いてゆかねばならない。優希が桃子の分までもはがしておいてくれたので、桃子は楽をしたのである。秋の中央区書道展に出品する作品を今稽古している。「明月故郷夢」。その中の三字をとった。私の役目はお習字を身近かな友達とすること。屈託なしに筆を取る時期にたっぷり遊ばせることである。優希はまだ5年生だから、はたちになったらどんな団扇にどれほど立派な字を書くか、考えるだけでも楽しい。そのころ私はヨボヨボのジジイになって、「どちらの優希さんですか?」と、とぼけることにしよう。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2011/08/19 上に戻る
心悠々
こころ ゆうゆう
作者 高橋桃子 (中2)
団扇 濃墨 24×34
制作 2011年8月
番号 児00039
半紙にお稽古しているばかりでは面白くない。ときどき遊び心を養って「手すさび」の大切さを身につけたい。中学生でこんな遊びをしている子供は少なかろう。話はカンタン。街を歩くとプラスティックの団扇を配っている。それをもらうのである。裏には「ビックカメラ」とかの広告がついている。不要な片面をはがして書いた紙を貼り付けるだけ。市販のステイック糊を骨に塗ればあっという間に出来上がる。同じ字を重ねるときは「二」という記号を用いるのが書道のきまりである。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2011/08/19 上に戻る
青山白雲
せいざんはくうん
作者 相原宏信 小6
書刻 朴板 浮出彫 群青・群緑・胡粉
金箔押 18×52
制作 2011
番号 児00038
中学になって急に忙しくなった。部活があるのである。そこであとちょっとの塗りがなかなかできない。とうとう夏休みになってしまった。今度は合宿である。ようやく仕上がった。小学校6年生の記念なのだが、半年以上費やしたことになる。ごくろうさん。
字はちょっと面白い。かなり緊張して書く子なので真剣になればなるほど不恰好になる。書いているところを見ている私にはそれが得難いものに思われる。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2011/08/01 上に戻る
雲海
うんかい
作者 高橋桃子(中2)
布バッグにプリント
制作 2011 6月
番号 児00037
今年はTシャツではなく、バッグにした。初めて篆書(てんしょ)を書いた。写真ではレモンをあしらっている。桃子は酸っぱいものが好きである。レモンなどは丸ごとかじってしまう。キッズの中では裕一に次いで古参になったので、二代目塾頭としてリーダーシップを発揮している。稽古後、塾頭が「うん」と言わなければ皆は「ジャンボアイス」にありつけない。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2011/07/23 上に戻る
黄雲萬里
こううん ばんり
作者 友野克哉 中2
書刻 桂板 浮出彫 黄土 金箔押
21×67
制作 2011
番号 児00036
風邪をひいたり、部活で忙しかったりして、モタモタしているうちにもう中2になって半年も過ぎてしまった。書いた時点ではまだ中1だったのだが。
黄雲は天子の乗るめでたい雲。地色は「黄土(おうど)」という日本画の水干(みずひ)絵具。同じ色調ではあるが金は何色にも映えることの証明である。さすがに中学生ともなると字の骨格がしっかりとしてくる。彫りは文字の立ち上がりの高さを要求して、何度も「浚い」を繰り返した。それで時間もかかったのである。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2011/07/16 上に戻る
