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82 団扇
天空靑林を揺らす 実央 風入りて万里に向かう 梨央
団扇
作者 亀澤実央(小5)
茂呂梨央(中1)
制作 2019
番号 キッズ00082
団扇に楷書を五字。
最近はクーラーがあるので団扇は姿を消したかに見える。しかしビックカメラなどでは団扇を配って宣伝している。もらった団扇は竹製ではなくプラスティックだ。水に浸して五分も置くと紙はペロリと取れる。 和紙二枚を団扇の輪郭を取って切り抜き、字を書いたあと、ステイック糊で張り合わせる。このとき指で表面を馴らして団扇の線を浮き立たせるのがコツ。線が見えないとウチワらしくない。
部屋に置いてあるだけで風情となる。バタバタ扇ぐのではなく「視覚の涼」である。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2019/09/21 上に戻る
81 あめふり なつぞら
ひらがな
作者 たにおかさらさ
制作 二〇一七
番号 キッズ00081
六さい。まだ入学前である。
今年の八月は雨続きで日照時間が記録的に短い。ほんとうは「かんかんでり」と書きたいところだが、六歳の夏は「あめふり」だったという記念にしよう。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2017/08/25 上に戻る
80 更逢山上一花開
更に逢う 山上 一花開くを
作者 菊池裕一
楷書 タモ板 浮出彫 金箔押 地色牡丹 18×100
出典 孫逖 七律
制作 2009~2015
番号 児00080
「更逢」とは「あ、またあった!」という驚きと喜びの声。山頂に近づけば花の姿は少なくなるが、ふもとから道々目にした花がここにも咲いていた、という出逢い。
この詩の題は長いので七律とだけ記した。
この作品は6年生の時に書き、彫りかけていたものを高校卒業時に続行して仕上げた。キッズの作の範疇にちょっと外れるが。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2015/10/16 上に戻る
79 魚いろいろ
魚の漢字
作者 仲丸桃子 小2
団扇 24×21
制作 2014
番号 児00079
魚の名前の漢字は基本的に中国の魚のために出来ているものなので、日本の魚とドンピシャ同じ魚を指すのかどうか分からない。もともと中国は大陸で、魚とは大体川魚を指す。日本のように周囲が海で囲まれた豊かな魚王国とは違うのである。そこでひとつの魚に対していくつも漢字ができてしまう。ニシンは「鰊」も「鯡」もある。タコは「蛸、鮹、鱆、章魚」といった具合である。中国にない魚はもとの漢字もないから、「国字」を作るよりない。ハタハタは「鰰」である。したがって漢音読みはない。
小学校低学年のうちにどんどん覚えてしまおう。
この団扇は両面に書いている。毎週一枚ずつ仕上げて、さあ、全部書くと団扇が何枚になるか楽しみだ。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2014/08/10 上に戻る
78 更け行く秋の夜
更け行く秋の夜 旅の空の
わびしき思いに ひとりなやむ
作者 尾崎利希 小5
団扇 24×21
出典 犬童球溪「旅愁」
制作 2014
番号 児00078
最近は竹の団扇が少なくなった。街で配っている宣伝団扇はみなプラスティックである。それを加工して自分の団扇を作るのも、わが書塾の恒例行事である。大人も子供も楽しめる。夏の風物であるから、部屋に置いておくだけでも涼しげでよろしい。
この歌は有名なものだが、今の子供たちは知らない。が、いずれは「わびしき思いにひとりなやむ」こともあろうか。これから大人になるということはうらやましいではないか。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2014/08/09 上に戻る
77 雛罌粟(ひなげし)
作者 尾嵜優希(おざきまさき)中2
エコバッグ・プリント
制作 2014
番号 児00077
彼女の定番、むずかしい花の漢字シリーズ。今年は「ひなげし」です。大人でも読めないし、書けません。中学生になったので、皆にちょっと差をつけて中央区のエコバッグにあしらいました。どれも難しい漢字です。
三番目の「粟」は「栗クリ」ではなく、下が米で「アワ」なんですね。「稗(ひえ)」とか「粟(あわ)」とか「黍(きび)」とか、昔の穀物も陰が薄くなりました。キビダンゴはおとぎ話にしか出てこないし、「粟ぜんざい」なら銀座の「若松」で食べられますが、稗はどんなお菓子になっているのやら。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2014/07/11 上に戻る
76 梅雨のあとさき
作者 仲丸桃子 小2
Tシャツプリント
制作 2014
番号 児00076
はじめてのTシャツプリント。梅雨どきの単語を思いつくままに書いてごらん、といったら、なかなか出てこない。都会の子供は季節感が稀薄になってきている。アマガエルなどにはお目にかからないし、カタツムリもいない。台風なんかが来てしまったりするものね。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2014/07/11 上に戻る
75 雨中春樹萬人家
雨中の春樹は万人の家(王維)
作者:紺清 樹(こんせい たつき)中1
Tシャツプリント
制作 2014
番号 児00075
春雨の中の大木はみんなが雨宿りできる家である。こんせい君も「樹」という名前を持つ。萬人に慕われる人材になってほしい。Tシャツプリントはこれで6枚くらいできたかな。毎年の恒例でお習字暦6年になった。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2014/07/11 上に戻る
74 寒山転蒼翠
寒山転(うた)た蒼翠(そうすい)
秋水(しゅうすい)日に潺湲(せんかん)
杖に倚(よ)る柴門(さいもん)の外
風に臨んで暮蝉(ぼせん)を聴く
(王維)
作者 小嶌裕貴(中2)
書額 紙本濃墨 25×35
出典 王維
制作 2013
番号 児00074
これらの裕貴の作品はここ青溪書苑で今年1月に行った「小嶌裕貴書作展」に並べたものである。五言絶句をこのように所定の紙に収めることは大人でも難しい。一画一画、丁寧に、穏やかに筆を運んでいる。線の太さも安定している。多少のアンバランスはあっても、これは年齢と共に成長するので、あとは時間の問題である。
中学2年という年齢は男の子には中途半端な時期で、少年から青年に脱皮する直前だと思えばよい。この字を見れば、はや貴公子となる寸前である。小学校1年生のときから見ている私にとって、これからの「仕上げ」が正念場となる。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2014/03/10 上に戻る
73 漱露
露に漱(くちそそ)ぐ(王度)
作者 小嶌裕貴(中2)
団扇 濃墨 21×31
出典 王度
制作 2013
番号 児00073
これは団扇(うちわ)である。土佐の馬路杉(うまじすぎ)の間伐材で作ったもの。杉の薄い板で軽い。そのままでは面白くもないが、このように書を施すと付加価値がつく。作品としてもサマになるではないか。
作者 : 5.キッズコーナー
掲載 : 2014/03/06 上に戻る