岡村友子の作品
手を書きたるにも深きことはなくて

手を書きたるにも深きことはなくて、ここかしこの、点長に走り書き、そこはかとなく、気色(けしき)ばめるは、うち見るに、かどかどしく、気色だちたれど、なほまことのすじを、こまやかに書きえたるは、うはべの筆消えて見ゆれど、今ひとたび、取りならべて見れば、猶、実になむ、よりける。(源氏物語 帚木)
源氏物語には書に関する記載も多く、一般の人にはなんでもないところながら、我々にとっては見逃すことのできないくだりである。ここは「帚木」の巻で、雨夜の品定めのところである。馬の頭の言う書論で、「まことのすじ」は「うはべの筆」より優れているとのべている。さすがにこの時代の貴公子は書への見識の高さがあったのである。
かな 書額 紙本濃墨 (本体)30×42
出典 源氏物語 帚木
制作 2001
番号 友00050
作者 : 2.岡村友子
掲載 : 2009/07/19
