岡村友子の作品
うらみわび ほさぬ袖だに

うらみわび ほさぬ袖だに あるものを
恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ(相模)
百人一首の女流・相模の歌。
かな書は原則的に「ひらがな表記」である。漢字をあてるのは歌の「解釈」の問題である。「うらみ」は恨、怨、憾などがあるが「恨」と解釈する本が多い。怨恨の怨ではドギツ過ぎるのであろう。
「だに」は本来「だに・・・なし」と否定辞をともなう言葉だったが、平安時代になると「だに・・・あり」の用例も多くなり、その場合「すら」の訳語をあてるのがよい、と岩波の古語辞典にある。「涙にぬれて干すこともない袖すらここにある、とはいえ・・・」となろう。濡れたまま干そうとも思わない、とはかなり「怨」に近いのではなかろうか。こわいことである。
かな 書額 紙本濃墨 (本体)33.5×24
出典 百人一首 65相模
制作 1995
番号 友00046
作者 : 2.岡村友子
掲載 : 2009/06/06
