岡村友子の作品
年たちかへるあしたの

年たちかへるあしたの空のけしき、なごりなく曇らぬうららかげさには、数ならぬ垣根のうちだに、雲間の草、若やかに色づきはじめ、いつしかとけしきだつ霞に、木の芽もうちけぶり、おのずから人の心ものびらかにぞ見ゆるかし。ましていとど玉をしける御前(おまへ)は庭よりはじめ見どころ多く、みがきまし給へる御方々の有様、まねびたてむも言の葉足るまじくなむ。春のおとどの御前(みまへ)とりわきて、梅の香も御簾のうちの匂ひに吹きまがひて、生ける仏の御国とおぼゆ。(源氏物語「初音」)
このくだりは書家好みの文章でよく取り上げられる。六条院の正月の年賀風景。往時の風情が見事に描写されており、新春に飾る作品としての応用価値があるからであろう。作者もいくつか手がけているので、プロとしては得意の「出し物」なのである。
かな 額 料紙金砂子 46×34(本体)
出典 源氏物語「初音」
制作 2001(個展)
番号 友00056
作者 : 2.岡村友子
掲載 : 2010/01/23
