2009年12月 岡村友子の作品
かたもなく

かたもなく荒れたる家の、木立繁く、森の様なるを過ぎ給ふ。大きなる松に藤の咲きかかりて、月かげに靡きたる、風につきてさと匂ふがなつかしく、そこはかとなき香なり。橘には変りて、をかしければ、さしいで給へるに、柳もいたうしだりて、築地にもさはらねば、みだれふしたり。(源氏物語「蓬生」)
源氏が末摘花の荒れ果てた屋敷を訪問したときの一節。源氏物語絵巻に描かれた名場面である。「をかし」を「おかし」と誤記している。不注意である。
かな 額 鳥の子紙
出典 源氏物語「蓬生」
制作 2001(個展)
番号 友00054
作者 : 2.岡村友子
掲載 : 2009/12/19 上に戻る
恋わびて

(源氏)恋わびて鳴く音にまがふ 浦浪は おもふかたより
風や吹くらむ と謡ひ給へるに、人々おどろきて、めでたうおぼゆ
(源氏物語 須磨)
個展「源氏物語の世界」で発表した作品。これは扇面で「須磨」。「おもふかた」とは「都」のことである。失脚して須磨での隠棲生活を送る源氏は都を思うことしきりである。しかしその中でもしっかりと「明石の姫君」をキャッチするのであるから、転んでもただでは起きない色男ではある。
かな 書額 扇面 36×17
出典 源氏物語 須磨
制作 2001(個展)
番号 友00053
作者 : 2.岡村友子
掲載 : 2009/12/02 上に戻る
