2009年6月 岡村友子の作品
星まよふ ほどを待つとて
◎星まよふ ほどを待つとて
七夕の やすき空なき
雲居なりけり
◎今宵こそ 風も涼しく
天の川
なみたちわたる
君も待ちけれ(中務集)
扇面の軸装である。たてに配置しているが、きまりがあるわけではないので、構想は自由である。もちろんこの向きに見ることを意識して文字の散らしを組み立てるわけで、それだけに扇面は面白さを持っている。アップしてごらんください。
かな 軸装(絓絹しけきぬ) 扇面 紙本濃墨
出典 中務集(なかつかさしゅう)
制作 2000
番号 友00048
作者 : 2.岡村友子
掲載 : 2009/06/27 上に戻る
めぐり逢ひて 見しやそれとも

めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に
雲がくれにし 夜半の月かな(紫式部)
おなじみ「百人一首」の才媛の歌。『新古今』では「夜半の月影」となっている。『紫式部集』では「月かな」とあるので、このほうが原形であろう。
詞書(ことばがき)に「童友達(わらはともどち)に侍るける人」とあるので、恋人との再会の歌ではなくなってしまうのが残念である。なまじ詞書などをつけないほうが歌としては成功したろうに。
この鳥の子紙は正倉院風の文様がキラ(雲母)押しされている。襖紙である。
かな 書額 紙本濃墨 (本体)27×29
出典 百人一首・57紫式部
制作 1995
番号 友00047
作者 : 2.岡村友子
掲載 : 2009/06/20 上に戻る
うらみわび ほさぬ袖だに

うらみわび ほさぬ袖だに あるものを
恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ(相模)
百人一首の女流・相模の歌。
かな書は原則的に「ひらがな表記」である。漢字をあてるのは歌の「解釈」の問題である。「うらみ」は恨、怨、憾などがあるが「恨」と解釈する本が多い。怨恨の怨ではドギツ過ぎるのであろう。
「だに」は本来「だに・・・なし」と否定辞をともなう言葉だったが、平安時代になると「だに・・・あり」の用例も多くなり、その場合「すら」の訳語をあてるのがよい、と岩波の古語辞典にある。「涙にぬれて干すこともない袖すらここにある、とはいえ・・・」となろう。濡れたまま干そうとも思わない、とはかなり「怨」に近いのではなかろうか。こわいことである。
かな 書額 紙本濃墨 (本体)33.5×24
出典 百人一首 65相模
制作 1995
番号 友00046
作者 : 2.岡村友子
掲載 : 2009/06/06 上に戻る
