岡村天渓の作品
盤石

盤石(はんせき) 王維
王維の「盤石の上に偃臥(えんが)す」の語をとった。「ばんじゃく」とも読めるが、それは仏教読みだから、漢詩らしく「はんせき」と読むべきだろう。
盤石は巨大な岩のこと。言葉の持つ圧迫感に対して、なだらかな文字構成を試みている。 「礼器碑(らいきひ)の流麗な線と、神君碑(しんくんひ)を参考にした。」と後年言っていた。
画数の多い字と少ない字とを並べて組み合わせる、というのも難しい課題で、敢えてそれに挑むという天溪好みの撰文である。人が避けるところに踏み込む、そこに苦心があり、そのうえで偃臥したかったのであろう。ついでながら「偃臥」とは「寝っころがる」ことだが、『字統』では巫女が神がかりのエクスタシーの状態になって臥すことが字の原義だという。
隷書 扁額 染紙濃墨 半切1/2
出典 王維
制作 1972
番号 天00088
作者 : 1.岡村天渓
掲載 : 2011/07/08
