岡村天渓の作品
心中無慙愧 破戒違律文
心中に慙愧(ざんき)無し
戒を破って律文に違(たが)う(寒山)
これは寒山の真骨頂ともいうべき名句である。開き直りもこのくらいになれば何をかいわんやであろう。
寒山の生き方を「絶対自由の境地」と吉川幸次郎が書いているが、たとえ戒律であっても「きまり」には縛られまいとするのが「自由人」の生き方である。
これを貫くと通りいっぺんの社会生活はできない。隠者となって山に籠るしかない。「後ろめたくはありませんか」「里が恋しくなりませんか」と俗人はいうだろう。「心中に慙愧無し」である。後悔だの反省だの悔恨だのはないと言い切っている。
おずおずと生きて、後悔と反省ばかりの私たちに、この語句はガンと一発かませてくれるわけである。
行書(最後が草書風だが全体としては行書としておこう)
書額 紙本濃墨 67×46
出典 寒山
制作 1981
静岡 I 氏蔵
番号 天00048
作者 : 1.岡村天渓
掲載 : 2009/06/19
