2009年10月 岡村天渓の作品
遊依二室成三友 住近雙林當四鄰

遊は二室に依りて三友を成し
住は雙(双)林に近く四鄰に當つ
(白居易)
白居易は数字が好きで数遊びの詩が多い。これなども「二室」と「双林」、「三友」、「四鄰」と使い分けているところがミソ。
「游」は自分の楽しみ。詩と琴と酒の三つを友としている。その住まいは二つの林が近くにあり、家が取り囲まれて四方に隣接しているということらしい。「林」と「鄰」の音を合わせたのである。晩年の落ち着いた心境が、こんな数合わせの観察を可能にする。
「鄰」のコザトヘンは「邑ユウ(むらの意)」からきているが、「説文」の篆書では右に置く。金文では左に置くので、そのほうが古形なのであろう。現行の活字「隣」は「説文」によらない古形をとっていることになる。
「丁未新春」は1967年。天溪55歳の作。鳴鶴ばりの硬質な隷書で、まだ天溪隷書の完成には至っていない。
長くしまっていたので巻きグセがついている。たまには下げて表装を休ませねばならない。
隷書 立軸 半切
出典 白居易
制作 1967
番号 天00052
作者 : 1.岡村天渓
掲載 : 2009/10/31 上に戻る
