2009年8月 岡村天渓の作品
信足幽尋遠 臨風却立驚
足に信(まか)せて幽尋すること遠く
風に臨みて却立して驚く
(王安石)
「幽尋(ゆうじん)」はひそかに尋ねること。幽境を求めて出歩くこと、である。「却立(きゃくりつ)」は立ちすくむこと。
足にまかせて遠くまで来てしまった。突然の風に出会ってビックリして立ちすくんでしまった、という図柄であろう。孤独な探索が思わぬ風によって中断された驚きをとらえている。
茶墨は雰囲気が出るので天溪は好んで使った。隷書は本来は横長の字形だが、これは意識的に正方形に納めている。そのために幽や尋はスマートに見える。たっぷりした墨量の部分と、かすれとを交互に配して、緻密な造形手法を見せている。
隷書 紙本茶墨 半切 1/2額(本体 34×67)
出典 王安石
制作 1973
番号 天00051
作者 : 1.岡村天渓
掲載 : 2009/08/21 上に戻る
