2009年6月 岡村天渓の作品
心中無慙愧 破戒違律文
心中に慙愧(ざんき)無し
戒を破って律文に違(たが)う(寒山)
これは寒山の真骨頂ともいうべき名句である。開き直りもこのくらいになれば何をかいわんやであろう。
寒山の生き方を「絶対自由の境地」と吉川幸次郎が書いているが、たとえ戒律であっても「きまり」には縛られまいとするのが「自由人」の生き方である。
これを貫くと通りいっぺんの社会生活はできない。隠者となって山に籠るしかない。「後ろめたくはありませんか」「里が恋しくなりませんか」と俗人はいうだろう。「心中に慙愧無し」である。後悔だの反省だの悔恨だのはないと言い切っている。
おずおずと生きて、後悔と反省ばかりの私たちに、この語句はガンと一発かませてくれるわけである。
行書(最後が草書風だが全体としては行書としておこう)
書額 紙本濃墨 67×46
出典 寒山
制作 1981
静岡 I 氏蔵
番号 天00048
作者 : 1.岡村天渓
掲載 : 2009/06/19 上に戻る
石上題詩掃緑苔
石上に詩を題して緑苔を掃く(白居易)
横に書いたところが変っている。
「掃」という字の草書体はこのような形に書く。ツクリの字形がもとの形とは大違いなので類推がきかない。しかしこれを覚えておくと、「婦」「帰」はヘンを代えればできあがる。
これは瀬戸の本業窯(ほんぎょうがま)の最も伝統的な皿で「石皿」と呼ばれている。幅広い縁がぐるりと回っているのが特徴で、つかみやすさを考えた民芸品らしい力強さがある。6代目水野半次郎さんに焼いていただいたもので、今は私と同じくらいの年の息子さんがあとを継いでおられると思う。
草書 石皿 呉須 徑30
出典 白居易
焼成 瀬戸 本業窯
制作 1975
番号 天00047
作者 : 1.岡村天渓
掲載 : 2009/06/06 上に戻る
