2008年9月 岡村天渓の作品
路有れど世に通ぜず

路有れど世に通ぜず(寒山)
「毒入りの米なんて突っ返すべきじゃなかったのか。買い取って転売するなんて、商道徳に反する。」などと憤慨しているあなた。だからこそ寒山も「世に通ぜず」と言っているんで。
悲しいかな、この文言は時代を越えて不朽である。ちゃんとしたことを、ちゃんと行うことができない。これが人間の世のならいなのか。
かくて寒山は隠遁したが、隠遁できない我々庶民は「不通世」のなかであくせく働き、老後の蓄えを「ネコババ」され、減額され続けて終わるんであるよ。せめて「ちゃんとした字」を書くしか能があるまい。
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草書 書刻額 桂板 平彫 群青 52×85
出典 寒山
制作 1982
番号 天00025
作者 : 1.岡村天渓
掲載 : 2008/09/28 上に戻る
彼此親密(ひし しんみつ)

彼此親密(ひししんみつ)
彼(あのひと)と此(このひと)とは仲良し。
汝の隣人を愛せよ、とはいかにこれが難物であるかを言っているわけで、隣国・北朝鮮と親密になることは意外と大変なのだ。
天溪の丸額は1960年代がほとんどで、初期のものほど派手である。板を接がねばならないので、次第におっくうになったらしい。このことについてはすでに述べた。たて十文字に読んだが、出典はわからない。『詩経』を探してみたが見当たらない。
右回りに読んでみると「彼(あのひと)の親と此(あたし)とは密(ねんごろ)」とも読める。恋人のご両親とうまくやっていけるかしら、という初々しい娘さんの気持ち、となり、これも面白い。左回りではどうだろう? 暇つぶしに遊んでください。
字はわかりませんが、古代文明のわきおこる息吹といった雰囲気がありますね。エーゲ文明につながるような。1960年代にこんな大胆な仕事をしていた書家があったとは驚きです。という感想を寄せてくれた人があった。
なおこの篆書の書風については、いずれ詳しく述べたいと思っているが、今年の5月30日にこの欄に掲載した「番号 天00002」の作のさきがけとなっていることにご注意いただきたい。
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篆書 丸額 書刻 ヒノキ板 浮出彫 30×30(推測)
出典 不明
制作 1960
番号 天00024
作者 : 1.岡村天渓
掲載 : 2008/09/20 上に戻る
