岡村大の作品
風吹餘春慰河堤
風吹きて 餘春(よしゅん) 河堤(かてい)を慰む
春の名残の風がやわらかく吹いている。なだらかな河の土手(つつみ)をやさしく慰めているかのようだ。
字形は「老三諱字忌日記・刻石(52年A.D.)」に学んだ。ロウサンキジキジッキと読む。漢隷の古いものの代表である。
隷書は右ハライにあたるところを「波磔(はたく)」というが、この時代には右にズンと筆を下げるだけで払わない。隷書は波磔だとばかりに、やたらと払う書家が多いが、古隷ではあくまで控えめで、最古のものはむしろ払わないのである。漢代の古隷はまだまだ書家の勉強の対象になっていない。
この板は北米産でバーズアイ・メイプルという。ひこばえの跡らしき小さな斑点が特徴である。バーズアイとはよく云ったものだ。樹液がメイプルシロップになるのであろうか。ちょっと粘り気のある板である。表面は入念に磨きこんだ。
隷書 書刻 楹額 メイプル板 彫込 刳彫 15×56
出典 自作
制作 2006
東京 M氏蔵
番号 大00093
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2010/08/06
