岡村大の作品
今人作人多自私 我心不説君応知
今人 人と作(な)るや多く自ら私す
我が心説かずとも君応に知るべし(王維)
世間の風潮を嘆く。
今の人は人となるや多くを自私する。
「作人」はひとかどの地位に立った人の意味であろう。
「自私」はどちらも「おのれ」だから、自分のことばかり考える、私物化するとでも訳せようか。
自己主義、エゴイズム、他者を排除する思い上がりばかりだ、と王維は怒っている。当時は「東電」などはまだなかったのだが。
いまさら説明しなくとも君ならわかっているよね。と心許せる友に言っている。
石門頌の隷書をどう書刻に生かすことができるか、私の数年来の課題である。
板はイチイ。一位と書く。目のつんだ良材で、これだけの長さのものはなかなかお目にかからない。別名オンコ(アイヌ語起源)ともアララギともいう。会津八一が彫らせた「双柿舎」の額がイチイだったが、八一は板には不案内だったらしく新潟の寺山啄木という彫師に問い合わせて、ノンコウと記している。聞き違えたのであろう。八一記念館(早稲田大)の展示でそれを知った。
隷書 書刻 楹額 一位板 彫込
薬研彫 文字色 白緑
10×112
出典 王維
制作 2005
番号 大00123
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2011/07/29
