岡村大の作品
時に適ひて各々所を得

時に適(かな)ひて各(おのおの)所を得(韓愈)
誰もが時流に乗り遅れまいとし、ヌケガケする者あり、アオる者あり、やがてそのバブルのツケがまわってくる。時にかなうのも結構だが、各々が所を得なければ何にもなるまい。
これはケヤキの玉杢。蘇芳染めをほどこした。蘇芳は東南アジアに産するマメ科植物の樹幹。くだいてチップにし、それを煎じて板に浸透させる。ミョウバンを媒染剤に用いると、ごらんのように赤く発色する。正倉院に残る「赤漆の櫃」はこの手法によるもので、漆を使ったのではない。
今日、板を染める技法はほとんど姿を消した。塗りこめる漆にとってかわられたせいであろう。また日本は幸か不幸か良質の漆に恵まれていた。板染めは板の保護だけでなく、木目を活かせる長所がある。私はこうした伝統をさまざまな植物染剤で復元させてみたいと思っている。
隷書 扁額 ケヤキ板 蘇芳染 彫込 98×27/18.5×89
出典 韓愈
千葉 S氏蔵
番号 大00013
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作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/07/11
