岡村大の作品
柳影含雲幕 江波酒壺近
柳影 雲幕を含み 江波 酒壺に近し(杜甫)
柳の影が水辺に映っている。うっすらと煙っているので「雲幕を含む」と詩的に表現されている。中国では柳は川辺につきもので、ここの川波はどうやら酒壺の並ぶ歓楽街に近いらしい。どうりで柳も色っぽく、粋な風情に見える、という感興をさりげなく述べているのである。
この板は秋田杉で至難の代物であった。生涯二度と彫りたくない難物である。どこが難点かというと、木目と木目の間の部分がマシュマロのようにやわらかく、小刀で削ぐことすら拒むのである。そのせいかどうか、手首を痛めて白血球の数値が上がり、三十八度の熱を発し、彫ることができず、完成までに二ヶ月もかかってしまった。
行書 書刻額 杉板 彫込 丸彫
27×121
出典 杜甫
制作 2006
番号 大00085
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2010/07/05
