2010年1月 岡村大の作品
一鳥華間鳴 借問此何時

一鳥 華間に鳴く 借問す「此れ何時(なんどき)ぞ」と。春風 流鶯語る(李白)
春の庭。花のなかで鳥の声。酔いから醒めて「おや、今は何時ごろかな」と思う。いやいや、春風が鶯の声を聞かせてくれていたんだ。
この詩はこのあと「之に感じて嘆息せんと欲す」とあって李白はいたく感動したのである。「借問す」とは定句であって、ちょっと自問したわけである。酔っ払って寝たので時間感覚がすぐには戻らなかったのであろう。ものの本には「今はどういう時季か(何れの時ぞ)」ともあるが、時節を問うたのではあるまい。酔わなくてもよくあることだ。春風に乗って鶯が語りかけてくれていたのである。
篆書 風炉先屏風
出典 李白「春日酔起言志」
制作 1998
番号 大00056
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2010/01/23 上に戻る
梨花淡白柳深青
梨花は淡白 柳は深青(蘇軾)
文意は簡単。説明するまでもないだろう。
板はケヤキ。色は岩絵具の群青を用いた。
板に顔料を塗ると、紙のようにすぐに水分を吸って乾いてはくれない。絵具だまりが長時間にわたる。その間に、粒子の重いものが沈潜し、粒子の小さい軽いものが浮き上がってくる。岩絵具は粒子の小さいものほど白みを増すので、ご覧のように絵具むらができ、鑿(ノミ)の彫りあとを見せてくれる。そこをあらかじめ計算に入れて、粒子の大きさや、絵具の比重を知っておく必要がある。残念ながら画材に比重の記載がないので、経験によるしかないのである。紙に描くのとは違った絵具との付き合い方もあるのである。
草書 書刻 楹額 ケヤキ板 彫込 群青
26×139
出典 蘇軾
制作 2003
番号 大00055
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2010/01/09 上に戻る
