2009年4月 岡村大の作品
双鶴飛来
双鶴(そうかく)飛来(ひらい)
これは2000年の正月に作ったものである。鶴は千年というから二羽である。世はミレニアムで沸いていた。書家も便乗することがある。三鶴飛来までは所詮無理だ。
板はケヤキのように見えるが、シオジである。右上の関防は「賀春」。
「双」は旧字では「雙」だから、この篆書も読めないこともないでしょう。「隹(すい)」は「鳥」に同じ。これも鳥を象った字。部首では「フルトリ」という。下の「又」は手の形。二羽の鳥を手に持った形が「雙」である。「双」と書く略字は鳥でなく手のほうを二つにしてしまった。こんな略字は本末転倒である。なぜこうなったのか、よく分からない。草書からきているのだろうか。「雙」は同じ二つでもペアの二つを指す事が多い。つがいの鶴はめでたいのである。ちなみに上のフルトリが一つだと、「隻(せき)」で「ひとつ」の意。
篆書 書刻 小額 塩地板 彫込 峰彫 33.5×28
制作 2000
番号 大00042
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2009/04/19 上に戻る
嘉辰平安

嘉辰(かしん)平安(へいあん)
嘉辰は「よい日」という意味。毎日がよい日で平安であれ、という願いは万人共通。最近はこういう「癒し系」の語句をついつい彫ることが多い。若い頃には恥ずかしくてあまり口に出さないでいたが。
まあ、いいでしょう。総理官邸にこれをかけて日々眺めていただきたい。どうもあのあたりに「恐慌不安」という額がかかっているような気がして心配です。文字や言葉には「コトダマ」ってことがあるのですぞ。
隷書 書刻 小額 ケヤキ板 枠浮出彫 51.5×23
制作 2003
番号 大00041
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2009/04/10 上に戻る
風生萬壑振空林
風 萬壑に生じ 空林を振るわす(李白)
萬壑(ばんがく)は山々の峰が連なっているところを想像されたい。そのあたりから吹き降ろす風がこちらの空林を震わせている。枝のざわめく音が聞こえるようだ。
たった7字でありながら、スケールも大きく、動きがあり、音さえ暗示させる。漢詩の持つ力だ。
篆書 書刻 杉板 彫込 峰彫 20×120
出典 李白
制作 1998
番号 大00040
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2009/04/02 上に戻る
