2008年11月 岡村大の作品
緑陰幽草

緑陰幽草(王安石)
緑陰幽草は花時に勝る、と初夏の時節を讃えた詩。
幽草は名もない草、木陰にひっそりと茂る草のこと。日本では雑草という言葉があって、幽草とはいいがたいほど繁茂するので、「幽」という字に違和感を感じてしまうのであるが、大陸は日本ほど日当たりがよくないせいか、たけだけしい雑草のイメージはないらしい。
板はケヤキである。蘇芳染めをほどこしてあるので少し紫になっている。ケヤキは杉とは逆に、年輪の部分に脈管が走っているので、年輪がくっきりと染まる。染めるにはまことに好ましい板なのである。文字には水晶沫を入れた。
行書 書刻額 ケヤキ板 蘇芳染 彫込
20×55
出典 王安石「初夏即事」
東京 S氏蔵
制作 2001
番号 大00028
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/11/28 上に戻る
白鷺一足を拳(ま)げ
白鷺一足を拳(ま)げ
月明らかにして秋水寒し(李白)
白鷺が月あかりの中に片足を上げてスラリと立っている。秋の水もめっきり寒さを増した。
「拳」という字は手偏にしてこのようにも書く。「挙」ではない。「まげる」という意味。そういえば拳法ではこぶしをまるめて構えている。鷺の持ち上げた足の表現として的を得ている。
この板は竹のようだがよく見てください。節がない。実は皮を剥いだヒノキである。
隷書 書刻 楹聯(えいれん) ヒノキ板 平彫 20×83×2本
出典 李白
番号 大00027
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/11/13 上に戻る
鳥還りて人亦た稀

鳥還(かえ)りて人亦た稀(李白)
鳥はねぐらに還り、人影もまばら。仕事を終えたあとの安らぎのひととき。
書いた時には見えないが、焼成すると筆ダマリがしっかりと跡を留めるので、思わぬ効果が出る。紙に残る筆ダマリとは異なるわけで、陶板ならではである。ちょっと紙の裏から見たような感じ。あどけない稚拙な味が気に入っている。
篆書 陶板額 弁柄 30×39/14.5×20
出典 李白
焼成 八王子焼窯元 工藤孝生
千葉 I氏蔵
番号 大00026
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/11/09 上に戻る
