2008年6月 岡村大の作品
軽舟 己に過ぐ 萬重の山

軽舟 己に過ぐ萬重(ばんちょう)の山
舟くだり。小舟だから矢のように流れ下る。さっきまで折り重なっていた山もとっくに通過してしまった。身軽な舟ならではだ。
隷書 小額 書刻 ケヤキ板
枠浮出彫 拭漆仕上
33×50
出典 李白
番号 大00011
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作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/06/29 上に戻る
小楼 一夜 春雨を聴く

小楼(しょうろう) 一夜 春雨を聴く
小楼は田舎のはたご。多分階下は酒場をかねているのだろう。
ここに泊まって静かな春雨の音を聴いた。旅情を感ずるひととき。
一夜は意味ありげではないか。
板はヒノキ。ふちのまるみをそのままにした。
隷書 書刻 楹額 ヒノキ板 枠浮出彫
30×100
出典 陸游
大阪 M氏蔵
番号 大00010
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/06/28 上に戻る
瀧頭 花一点

瀧頭(ろうとう) 花一点
こんなところに花が! という驚きを発見することがある。
町なかに大根が育っていたり、瀧の落ちる断崖に可憐な花が咲いていたり。
生命のたくましさ、したたかさに感動してしまう。
この板は実は板ではなく、ケヤキの皮である。漆で固めているが、ゆるやかな彎曲があって壁掛けには趣がある。珍材といえよう。
隷書 書刻額 けやき 彫込 拭漆仕上 23.5×34
東京 K氏蔵
番号大00009
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/06/28 上に戻る
此の露の・・・

此の露の的れきたるを愛し
復た雲の綺靡なるを憐れむ
「的れき」のれきは白偏に楽だが、パソコンの範囲外の字なので転換できなかった。
「的れき」はキラキラと輝くさま。「綺靡(きび)」は美しくなびくこと。
どちらも、蓮の葉にころがる露を愛でているのである。
小さくて見えないが、右上部の関防印には「蓮池」と彫った。
隷書 書軸 紙本濃墨
31×100/21×35
出典 王安石
東京 I氏蔵
番号 大00008
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/06/28 上に戻る
得難きは時 逢難きは友

読んで字のごとく「得がたいのはチャンス、逢いがたいものは良友」であろう。
この板は塩地という良材である。根っこの部分の板目は輻輳して面白い木目なので、茶箪笥などの引き戸に昔はよく使われた。板となるとその長所はあまり生かされないので、思い切って塗りこめてしまった。
刀法は「片落し」といい、カタカナの「レ」の字のように片側をおとす。筆づかいが表現できるので、行、草書には向いている。
行書 書刻 楹(えい)額 シオジ板 彫込 16.5×83
出典 謡曲「西行桜」
東京 M氏蔵
番号 大00007
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作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/06/26 上に戻る
清江一曲 村を抱きて流る

清らかな水をたたえて、川が大きく彎曲して流れ、そのふところに村がある。
このような風景をみたことがある。「村を抱きて」の言い方があたたかい。
この板はエンジュである。キヘンに鬼と書く。日本ではめでたい木とされ、神社のお札に使われている。
木の皮の部分を少々補強して残した。
行書 楹(えい)額 書刻 エンジュ板 彫込 17×100
出典 杜甫
東京 K氏蔵
番号 大00006
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/06/22 上に戻る
偶(たまた)ま来る松樹の下 枕を高うして石頭に眠る

たまたま松の木のもとに来たのをいいことに、ごろりと石を枕に高いびき。
何者にも干渉されず、絶対自由のなかに生きる隠者。
干渉されたくてメールを打ち続け、秋葉原に現れる変者に欠けているものは、この孤独に堪える心のゆとりだ。
楷書 扁額 書刻 ケヤキ板 枠浮出彫 緑青 111×36
出典 太上隠者
千葉 S氏蔵
番号 大00005
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/06/22 上に戻る
衣冠簡朴 古風存り

衣冠とあるから正装ではあろう。簡朴であって華美ではない。だが、どことなく風格がただよっている。
このような老人を最近は見なくなった。どこも若造りのお年寄りばかり。風格のない老人がワカモンの真似をしてどうなるんだ。
楷書 楹額(=はしらがけ、縦長の額) ヒノキ板
蘇芳染 筋彫 30×120
※蘇芳(すおう)はマメ科植物で日本にはなく東南アジアに産する。この樹幹をチップにして、煎じて染料にする。硫化第一鉄を媒染剤に用いると、ごらんのように暗紫色に発色する。正倉院には蘇芳染の櫃などが残っている。
出典 陸游
番号 大00004
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/06/22 上に戻る
風雨 驕陽を破る

風雨 驕陽(きょうよう)を破る
20世紀は人類が知性を過信した「驕れる太陽」の時代だった。
今世紀は新たな風雨がそれを打ち破らねばなるまい。
篆書 扁額 書刻 桜板 浮出彫 銀砂子 175×43
関防印:新世紀
出典:王安石
番号 大00003
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作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/06/20 上に戻る
思いは宇宙の外に出づ

王維の言葉。唐代の詩人だが、この言葉のスケールの大きさはどうだろう。新世紀の宇宙飛行士も顔負けだ。しかし「宇宙の外」とはいったいどこなのだろう。ちょっと想像がつかない。そこで関防印を「際(はて)を極む」としておいた。
篆書 書額(半切1/4) 紙本濃墨
32×92/17×68
関防印 際を極む
出典 王維
高知 T氏蔵
番号 大00002
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/06/20 上に戻る
息するに踵(かかと)を以ってす

踵で息するって? ちょっと意表をつく言葉だ。これは紀元前の思想家・荘子(そうじ)の言葉。
真の人は大地の気を敏感に受けとめて生きる。あたかも踵で呼吸しているがごとくに。
裸足で土を踏むことがなくなった現代人に欠けているものは、本来の生物がもっていた正常な感性だ。
汚染された地球の悲鳴が聞こえ、大地の異臭に気付いていたら、我々をかこむ世界はこんなにはならなかったろう。
篆書 書額 F6号 紙本濃墨 47×56/31×40
関防印:真人
出典:荘子
神奈川 S氏蔵
番号 大00001
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2008/06/20 上に戻る
