目次:岡村大
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161 花上黄鶯子

花上の黄鶯子(寒山)
黄鶯子はうぐいす。日本のうぐいすとは同じでないようだ。
板はきはだ(黄檗)である。外皮はこのように黄色く、口に含むと苦い。これを削って胃薬としていた。
草書 書刻 小額 黄檗板 彫込 14.5×27.5
出典 寒山
制作 2001
東京 N氏蔵
番号 大00161
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2013/05/20 上に戻る
160 秋晩 閑歩
秋の晩 閑(しずか)に歩む(陸游)
秋の夕暮れにひとは幼いころを思い起こすものだ、とグレアム・グリーンは「イノセント」という短編に書いている。そこで主人公は久しく訪れなかった故郷の町を歩き、思いがけぬ幼い頃の自分に出会うのだ。
陸游も六十九歳の秋に、故郷の山陰(紹興市)でこの詩を作った。この語句は詩題から取った。
草書 額 八角 紙本濃墨 47×47/24.5×24
出典 陸游
関防印 気を養う
制作 2001
埼玉 O氏蔵
番号 大00160
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2013/05/17 上に戻る
159 晴日暖風
晴日暖風(せいじつ だんぷう)(王安石)
王安石の詩句から。文字通り晴れた日、風も暖かい。 この赤は岩絵具の「古代朱」とあったが、メーカーによって命名が違い、全く別の色でこの名のものがあった。古典的な色名の統一には至っていないのであろう。板は槐(えんじゅ)で書刻にはなかなか良材である。神社の御札や卒塔婆などに用いられるところを見ると、魔除けの言い伝えがあるのか、木ヘンに鬼と書くのもそれらしく思われる。
隷書 書刻 小額 槐(えんじゅ)板 枠浮出彫 金箔押
31×22
出典 王安石「初夏即事」
制作 2001
番号 大00159
【Literal interpretation】 Sunny day (晴日) wind is warm (暖風).
隷書(Rei-sho):classical script, second one of five letter-styles(五書体)/ 書刻(sho-koku): wood carving of calligraphy/ 小額(sho-gaku): small tablet / 槐板(enju board): japanese pagoda tree (styphnolobium japonicum)/ 枠浮出彫(waku-ukidashi-bori): relief letters in a frame/ 金箔押 (kinpaku-oshi): sealing gold foil/ 出典:souce: poem of Wang-baishi (王安石1021-1086)/ size: 31×22cm/ 2001/ No.大00159/
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2013/05/03 上に戻る
158 亮火虫(ほたる)

亮火虫(ほたる) 夜々(よなよな)紅い
天上に去れば 雷 爾(おまえ)を打たん
下地に来れば 火 爾(おまえ)を焼かん
快来 快来(ほ、ほ、ほたる 来い)
我 爾(おまえ)を保たん (児歌) 中国の童謡
日本の童謡「ほたる、来い」に似ているのがおもしろい。日本は「こっちの水は甘いぞ」とエサで釣る発想。中国では理屈っぽく、天地人の陰陽五行説を踏まえて脅している。「保たん」と締めくくっているが「大切に飼おう」という気持ちだろう。中国版のマザーグース。関防印 は「児歌」とした。
隷書 扁額 書刻 桐板焼入 彫込 91×25
出典 児歌
制作 2001年
東京 K氏蔵
番号 大00158
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2013/04/25 上に戻る
157 把酒慰深幽

酒を把りて深幽を慰む
深幽は心の底のかそけき揺れとでも言おうか。必ずしも悩み事ばかりとは限るまい。独り盃を手にして自分と向き合っている。年寄りにして初めてできる飲み方かもしれない。
隷書 書刻 魚梁瀬杉 彫込 半切1/2額 92×32/80×20
出典 蘇軾
制作 2001
神奈川 K氏蔵
番号 大00163
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2013/04/19 上に戻る
156 心益閑

心益(ますます)閑(かん)たり(李白)
「閑たり」は「のどかなり」でも「しずかなり」でも「のびやかなり」でもよいだろう。読む人の好きな訓読みをどうぞ。漢語はこういう場合便利である。
原詩は「山に對して」心益閑とあるが、「對山」は省いた。「益」は一字で「ますます」。詩は五言なので、「益々」にはならない。
この板は塗り込めてしまったので分からないが銀杏である。木肌は滑らかで色白。塗るのが惜しいほどである。板の裏にまで貫通しているヒコバエの跡の穴はパテで埋めている。
彫る前の下ごしらえというものもあるのである。
篆書(金文)書刻 銀杏板 彫込 文字肌色 地色草
48×19.5
出典 李白「望廬山瀑布其一」
制作 2013年
番号 大00156
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2013/04/04 上に戻る
155 克己制欲
己に克ち欲を制す(江原素六)
江原素六(えばらそろく 1842~1922)は幕臣。明治維新後沼津に移り住んだ。政治家、教育者、キリスト教者など多方面で活躍。沼津の誇る偉人。東京の麻布中学の創立者でもある。沼津の人の依頼によって作ったが、これはそのかたの座右の銘である。
板はセン(栓)で、杢目が際立っており、漆を拭くと重厚な感じになる。クヤキよりくっきりと出るので私はよくセンを使う。
隷書 書刻 小額 栓板 彫込
拭漆仕上 20×35
出典 江原素六
制作 2001
番号 大00155
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2013/03/31 上に戻る
154 麦隴青々

麦隴(ばくろう)青々(せいせい)(陸游)
「麦隴」は麦畑の実りのうね。大麦は穂も大きいから風が吹けば龍がうねっているように見えるのではなかろうか。
これは神代欅で、やや青みがかっている。外溝彫りにダークグリーンを施した。水干絵具では「青銅色」というシックな名がついている。木目に色粒が集まって自然に木目を際立たせてくれる。
下部の模様は筋彫り。メトロポリタン美術館展で見たエジプトのアマルナ時代の麦のレリーフを参考にした。
隷書 書刻額 欅板 外溝彫 43×28
出典 陸游「山南行」
制作 2013
番号 大00154
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2013/02/14 上に戻る
153 五色楼
五色楼(ごしきろう)
端午の節句に長寿と健康を祈って花飾りを門口につける風習が古代中国にあった。束ねた花を五色の糸でくくる。これを朱索とも五色楼ともいい、日本に入って「薬玉」として宮廷に定着した。枕草子や源氏物語にその記載がある。病に対するおそれ、日々の安息を祈る素朴な思いがこもる。今でも五月にあやめと蓬(よもぎ)を玄関に飾る地方がある。
篆書 小額 塩地板 拭漆仕上 38×35
制作 2001
東京 M氏蔵
番号 大00153
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2013/01/21 上に戻る
152 穆如清風
穆(ぼく)なること清風の如し(詩経、大雅)
「穆(ぼく)」は稲の実る形状、穂が垂れ実がはじけようとしていることから、「みのる」、温和な気象、豊作で人々の気持ちが「やわらぐ」「なごむ」の意。それはよき治世のたまものだから、古代の王の徳を表すのに用いる。
はやく私の顔を穆たらしめてくれよ、と為政者に言いたい。今年(2013年)の正月は人出もまばらで、日本髪、着物姿の若い女性を見なかった。
篆書 書刻 杉板 丸彫 12×35
出典 詩経、大雅、烝民
制作 2001
群馬 M氏蔵
番号 大00152
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2013/01/11 上に戻る
