目次:岡村大
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221 野竹分青靄 飛泉挂碧峯
野竹 青靄を分け
飛泉 碧峯に挂(かか)る(李白)
❶篆書 ❷書刻 聯額 ❸真竹 彫込 拭漆仕上 ❹ 李白 ❺ 12×141㎝×2本 ❻1988 ❼番号:大221
❶ oldest script ❷ wood carving couplet ❸ bamboo, letters intaglio, coated with pure
urushi-lacquer ❹ Li-bai ❺ 12×141cm×2 ❻1988 ❼No.D221
野生の竹がすっくと立っている。まるで青い靄を切り分けているかのようだ。泉の飛沫が向こうの峰にかかっているかに見える。少年時代の李白が読書したと言われる戴天山の光景。
この作品はかなり古いもので、まだ父が存命中、中央区展にヒラで出したもの。その5年ほど後に会長賞をいただき理事を拝命。副会長になったのは15年ほど前である。
漆を塗ったときに大いにカブれたので思い出多い作品である。
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2020/03/09 上に戻る
220 寧為百夫長 勝作一書生

寧ろ百夫の長と為るが一書生と作るに勝れり(楊烱)
❶草書 ❷書刻 聯額 ❸竹 溝彫 色漆塗装 ❹ 楊烱 ❺ 18×92㎝×2本 ❻2000 ❼番号:大220
❶ abbreviated script ❷ wood carving, couplet ❸ bamboo board, line-cut, coated colour
urushi-lacquer ❹ Yang jiong ❺18×92㎝×2本 ❻2000
❼ No.D220
唐詩選・楊烱の『従軍行』に出る。唐朝盛期の国威発揚の歌。「百夫の長」とは小隊長程度か。
「一書生となるよりは戦にのぞんで小隊長になるほうがまだましなのではないか」と言う。とは言っても二十一世紀的には「一書生」でありたい。でも本当に「一書生」をつらぬくことが可能だろうか。問題提起しておきたい。
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2020/03/09 上に戻る
219 妙ぎ亭

妙ぎ亭
❶行書 ❷書刻看板 ❸ケヤキ板 彫込 平彫 文字緑青 ❹ --- ❺183×48㎝ ❻2005
❼番号:大219
❶ transferable script ❷ wood carving, signboard ❸ zelkowa serrata board, letters intaglio,
flat-cut, letters colour: green-blue ❹ --- ❺183×48㎝ ❻2005 ❼No.D219
伊豆・富戸の蕎麦屋看板。この大きな欅板は木曽で見つけた。上部のシネマスコープ状の板を捜したのである。これは左から右に今日的にした。左上の関防は「和楽」(古代箔押)。そばチョコの形にした。店主の手打ち蕎麦業の基本コンセプト。左の落款は上が「宇枝氏」(依頼主名、古代箔押)、下が「大書幷刻」(朱文)。
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2020/03/07 上に戻る
218 開池引澗泉
池を開いて澗泉を引く(寒山) 
❶隷書❷書刻 小額 ❸栓板 彫込 峰彫 拭漆仕上 ❹出典:寒山 ❺27×32㎝ ❻2004
❼番号:大218
❶ clerical script ❷ small wood carving ❸ sen board, letters intaglio, sharpend center of letter, coated with pure urushi-lacquer ❹ source: Han shan ❺ 27×32㎝ ❻ 2004 ❼No.D218
「澗泉」は湧き水のこと。
栓(セン)の板の良さは大柄な杢目にある。布で生漆を拭きこむと杢目が浮き立つばかりでなく、板の微妙な色がはっきり出る。下部の赤味を帯びたあたりがそれである。生のままの板では見えない。木に含まれるヤニっ気のなせるわざか。
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2020/03/07 上に戻る
217 清風
清風
❶篆書 ❷書刻 小額 ❸桑板 ❹彫込 文字胡粉
❺24.5×17.5cm ❻制作 1999 ❼番号:大217
❶oldest script ❷wood carving, little tablet
❸mulberry board ❹letters concave, white pigment
❺24.5×17.5cm ❻1999 ❼No.大217
書道用語の英語表記という課題への試案を今作っている。その中で書刻の「用材名」を翻訳する作業があり、「桑」を、普通名詞 mulberry 。「杉」類は堅苦しくなるが cryptomeria japonica と学名を記すなど同定作業を進め、それに伴って私の書作品を具体例として挙げるのだが、これによって私がまだどの板を手掛けていないかが明確になり、今後の指針ができたと同時に、「この板の作品はもっとあるのにまだ載っていない」ことも知り、紹介漏れを補足することとした。今作品番号 209 からがそれであって旧作ではあるが、私の板へ桑板への取り組みを示すために取り上げた。
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2020/02/29 上に戻る
216 暖氣鶯聲

暖氣鶯聲(だんきおうせい)
❶篆書 ❷書刻 小額 ❸桑板 ❹彫込 文字白朱 ❺30×18cm ❻制作 2000❼番号:大216
❶oldest script ❷wood carving, little tablet ❸mulberry board ❹letters concave, white with a
bit of red ❺32.5×18cm ❻2000 ❼No.大216
春になって陽気もほころんでくると鶯の声が聞こえるようになる。まだホーホケキョとうまく啼けないチビもいる。
桑の木は今から二〇年ほど前にはあちこちの材木屋に出回っていた。当時はそんなものだと思っていたが、その頃が桑畑の消滅の境目で、その後ぱったりと姿を消した。今ではこのようなオシャレな桑はよほどのことがない限り入手困難である。もっと買っておけばよかったが後の祭りである。
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2020/02/29 上に戻る
215 及雲梯

雲梯に及ぶ
❶篆書 ❷書刻 小額 ❸桑板 ❹彫込 文字白緑 ❺23×18cm ❻制作 1999❼番号:大215
❶oldest script ❷wood carving, little tablet ❸mulberry board ❹letters concave, white-green
❺23×18cm ❻1999 ❼No.大215
「雲梯」は雲への梯子で、英語ではJacob's ladder (ヤコブの階段)という。光が射して幾筋もの雲への階が地に垂れている。東京では久しくお目にかかっていないが、仙台時代はよく壮大な眺めに見入ったものだ。このふもとに及べば天に昇れそうだ。
桑の木はコブコブで杢目も渦を巻いている。外皮が黒く小さいながらも迫力満点である。
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2020/02/29 上に戻る
214 淡如水
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淡きこと水の如し
❶篆書 ❷書刻 小額 ❸桑板 ❹彫込文字胡粉 ❺32.5×18cm ❻制作 2005 ❽番号:大214
❶oldest script ❷wood carving,little tablet ❸mulberry board ❹letters concave, white pigment
❺32.5×18cm ❻2005 ❽No.D214
君子の交わりは淡きこと水のごとし、と言われる。淡々とした交友はわかる。それを水に譬えるのが妥当かどうか。近年の津波や大水などを見ると、水が牙をむくと怖い。
淡水は海水に対する語で、塩からくない、という意味である。日本は名だたる「軟水」の宝庫で、我々は無味無臭の透き通った水を想定する。しかし中国の河の水は黄色い泥水でゆっくりと流れるからいろいろなものが融け込んで味や匂いがあるのだろう。君子の交友は少し味があるらしい。
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2020/02/29 上に戻る
213 孤城隠霧深
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孤城 霧に隠れて深し (杜甫)
❶草書 ❷書刻 小額 ❸屋久杉板 ❹彫込文字白緑 ❺29×11cm ❻出典:杜甫❼制作 2005 ❽番号:大213
❶cursive script ❷wood carving, little tablet ❸yaku cryptomeria board ❹ letters concave,
white-green ❺29×11cm ❻Du-fu ❼2005 ❽No.D213
「清秋望極まらず」にはじまる杜甫の詩から。「遠水天を兼ねて浄く、孤城霧に隠れて深し」と続く。秋景を詠った名詩である。
板は今や貴重な屋久杉で上部のヘリに自然のままの凹凸を残した。実はここは木の洞(うろ)で、上部は材の中心だった。こんな端材を見いだすのも楽しい。屋久杉らしく年輪は密である。小なりとも私の寿命などをはるかに上回わる風格だ。
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2020/02/25 上に戻る
212 機息鳥無疑
機 息んで鳥 疑い無し (孟浩然) 
❶行書 ❷書刻 小額 ❸桐板 ❹彫込 平彫、文字群青
❺14×56cm ❻出典:孟浩然 ❼制作 2004
❽番号:大212
❶transfevable script ❷wood carving,
little tablet ❸paulownia board
❹letters concave, flat cut, gunjyo-blue
❺14×56cm ❻Mang hao-ran ❼2004 ❽No.D212
「機」は「人間のなすはかりごと、人為的なしくみ」を意味する。カスミアミのようなしかけもそうだ。それが終息すれば鳥だって逃げはしまい。鳥インフルエンザなども人間が本来の自然にないことを行った結果だという。
「機」をこのように否定的にとらえる思考はすでに荘子にある。機があるから鳥が疑うのだ。「機」万能の二十一世紀の我々に痛い言葉である。
板は桐。白い肌が清潔感を見せてくれる。
作者 : 3.岡村大
掲載 : 2020/02/25 上に戻る
