4-8 扇面考 かなの基本形 - エッセイ論文

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4-8 扇面考 かなの基本形

 扇面構成の基本形となる「かな」の二パターンを示したところで、それぞれの要点をまとめておきます。

★カナメに向かう文字列
1 カナメに向かう線上に書くこと。連綿の中心線がはっきりと捉えられていなければなりません。たとえ一字でも中心線がズレると不安定になります。基本的なことですが実力が問われます。
2 下方は行間が詰まりますから、混まないように。例えばあまり複雑な変体がなを用いすぎるとダンゴ状になり重苦しくなってしまいます。
3 逆に上部は広々としています。だからと言って字を大きくとると目立ちすぎるし、細くとれば痩せてみえます。強調したい文字の字形と位置を充分に検討しましょう。
4 バランスよく紙面が統御され、しかも和歌の読みやすさ(自然な改行)が大切です。

★まっすぐ並行する文字列
1 当然タテの中心線がふらつかないこと。基本中の基本ですが、なにぶんにも曲線と斜めの線によって囲まれている空間ですから、輪郭につられてしまいがちです。敢えて輪郭を無視したからには、断固まっすぐに書かねばなりません。
2 ただし最終行はやや内側に向けないとなじみません。(これはちょっとしたワザです)。
3 行が垂直線であることは単調になる危険性もあるということです。これを救うのは上下の変化です。行頭同士の文字をつないだ凹凸と、行末の凹凸が面白くなければなりません。うっかりすると「足がそろって」しまうものです。
4 左右の張り出した部分に少ない字数を納めます。
5 中央部はふくらんで見えるところですから、ここに大きな文字が来ると強調されることを念頭に置かねばなりません。

 以上を一言でいえば、扇面という特殊な空間にうまくハマッて書けるか、うまく「散らし」ているか、という至極あたりまえの結論になります。やはり基本が大事なのです。

掲載日時 2009 年 12 月 05 日 - PM 01 : 29

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