4-7 扇面考 かなの場合 2 - エッセイ論文

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4-7 扇面考 かなの場合 2

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 次はカナメに向かわずすべてまっすぐに処理する例です。前の例が扇面の曲線に溶け込ませたのに対して、これは敢えて逆らっています。しかし、かえって上下の曲線が美しく引き立つという効果があり、この形も扇面によくマッチします。ポイントは行のアタマがゆるやかなカーブを描いているところです。

 左右の下にできる飛び出た部分は、扇面処理の肝心なところで、ここに(右)「うらに」と(左)「ふりつつ」の「つ」がしっかりとおさまっています。ここは一番長く書ける部分です。しかし長くすると、重くなって扇面が傾いてしまいます。少ない字数をぴたりと収めてこそ「効かせどころ」となるわけです。

 これは「百人一首」の山部赤人の歌。万葉集では「真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける」(巻三)とあるのを、定家が「しろたへの」「降りつつ」と改変したものです。これによって一段と『新古今』らしくなったと言えます。この扇面にもまだ印がありません。前と同様にみなさんが印の位置を考えてください。

                         扇面:青溪会 杉浦和子

掲載日時 2009 年 12 月 04 日 - PM 08 : 25

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