4-6 扇面考 かなの場合 1 - エッセイ論文

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4-6 扇面考 かなの場合 1

 漢字の成扇は巾も広く武張ったものですが、かなの場合は女物の細身で、当然折り目の巾は狭く字を小さくせざるを得ません。また折り目に沿って書くということは散らしの自由も奪われ、凹凸のある面にやわらかい線を引くこともできません。そこでかなは扇面が主となるわけです。扇面という軸(もちろん額も)を考えついたのは中国というより日本のかな作家の発明だったのではないでしょうか。

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 二通りの書き方があります。文字列をカナメ(要)に向かって集約させるか、まっすぐ並行にするか、です。上の実例は前者です。上の句(山ふかみ春ともしらぬ松の戸に)を中央まで布置して、下の句(たえだえかかる雪のたま水)を低く収めています。最もオーソドックスな扇面散らしの基本形です。これは扇面だからできる形で、四角い紙にこう書いても面白くはありません。「絶え絶え/かかる」の二行は正しく言えばカナメに向かっていません。やや右下を向いています。このように一箇所「外す」のは上級者の技法。単調に流れるのを避けるためにさりげなくアシラったのですが、初心者は安易に真似てはいけません。バラバラになる危険があるからです。

 これは『新古今』の式子内親王(しょくしないしんのう)の早春の歌です。扇子だから夏の歌でなければならないということはありません。古くは桧扇を冬扇、紙貼り扇を夏扇と呼んで区別していました。扇のもとは桧扇にありますが、製紙法が発達して紙貼り扇が登場するや、宮中の女性たちがこぞって和歌を贈答する小道具として活用しました。これ以来夏冬の区別は無用のものになりました。

 ここでクエスチョン。まだ印が押されていませんが、小さい印をどのあたりに置けばいいでしょうか。適切な位置を考えて左余白をびしっと決めてください。(解答は省略)。

                            扇面:青溪会 石塚洋子

掲載日時 2009 年 12 月 04 日 - PM 08 : 01

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