4-5 扇面考 漢字の場合 2

次は呉昌碩(ごしょうせき 1858~1927)の扇面です。石鼓の臨で21行、落款を2行とって最後をあけています。ご存知のとおり、呉昌碩は生涯石鼓文(せっこぶん)に取り組み、小篆の少し先駆的な石鼓の篆書を自家薬籠中のものにし、印刻に活かした偉人です。呉の石鼓の臨書は数多くあります。いやそれ以外の篆書は書かなかったと言ってもよいでしょう。扇子にも石鼓だったわけです。
前回に掲げた呉大徴より二まわりほど年少で、大徴から多くを学びました。日本の文人とも交流があり、日下部鳴鶴の墓石は呉昌碩が書いています。印譜も出版されていますから、ぜひご覧ください。呉昌石の紹介はもっぱら篆刻家・松丸東魚先生の業績によるもので、当時も今も売れない印譜を次々に自費出版されたのです。
さてこの扇の裏面は張大千の疏果図(野菜の絵)で、これも価値のあるものですが、画家兼書家の張についてはまたあとで扇面の書をとりあげますから、ここでは省略して上の扇面を見ましょう。
行数からすると谷の左右に字を入れています。このような書き方もあります。折り目は書きにくいのでこうするのも良策です。2,3,2,3の文字列がリズミカルに配置されています。
掲載日時 2009 年 12 月 04 日 - PM 02 : 31
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