4-4 扇面考 漢字の場合 1 - エッセイ論文

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4-4 扇面考 漢字の場合 1

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 ともあれ、実際の作品を見て考えましょう。上は呉大徴(ごたいちょう1835~1902)の扇面で、裏面には任薫の花鳥画があり、セットになっています。(絵のほうは略します)

 二字ずつ14行。七言絶句が篆書体で書かれています。このように14の谷があり、最後の第15行目に落款、為書きを入れてちょうど収まるサイズの扇子が「手ごろ」な大きさでしょう。これは中国のもので、扇子としてはゴツい男物です。日本のように華奢な女物に篆書を書くことは少ないようです。

 一行の字数が二字と少ないのは、前回に述べたように、多い字数だと下に行くにつれて字を小さくせざるを得ず、それを避けるためです。下方を余らせて上部に配字したのも同じ理由からだと考えられます。料紙は泥金箋を用いた本格的な作品で見事な篆書です。あまり傷まぬうちに早々と扇面軸に仕立てたらしく、折り目も擦り切れていません。

 中国の書の伝統ではこのように七言絶句でも、七字ずつ「区切り書き」をすることはまずありません。発音で区切りが分るから不要なのです。漢文読みをする我々日本人には区切りが分りにくく、私などは窮余の一策として全体の字数を7で割り切れるか、5で割り切れるかを確かめます。しかし同じ字が続く場合に二番目の字を省略することもありますので、うまく行かないこともあります。

掲載日時 2009 年 12 月 03 日 - PM 09 : 19

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