4-31 扇面考 作品鑑賞 1 - エッセイ論文

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4-31 扇面考 作品鑑賞 1

 すでに述べたように、書道全集などには扇面作品はあまり取り上げられていないのが実情です。私はもっと積極的に掲載したらどうか、と思っています。この「扇面考」もそろそろ切り上げる段階ですから、最後に「作品鑑賞」としていくつかの扇面作品をゆっくり鑑賞しようではありませんか。

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 ちょっと画面がラフですが、ごかんべん願います。これは明時代の祝允明(しゅくいんめい 1460~1526)の草書です。最後に「枝山」という署名(=落款という)があります。右手の指が一本多く生まれついたので「枝指」とか「枝山」とか自称したのです。

 読みくだすと、「故人西の方 黄鶴楼を辞し、煙花三月 揚州に下る 孤帆の遠影 碧空に尽き 惟だ見る 長江の天際に流るるを」 有名な李白の七絶です。唐詩選では「惟だ」は「唯」とクチヘンになっています。熟練の草書で、しかも面白く書けています。あとのほうの「天際」の上にある「江」の字などは傑作です。

 扇面いっぱいに字を「過不足なく」散りばめ、それぞれの字が所を得て生き生きと躍動する、中国流の余白など何のその、という気迫もなかなか捨てたものではありません。

 これは植村和堂先生のコレクションによる「宋元明清書画」(根津美術館)のカタログにあります。根津美術館に行けば本物が見られます。

掲載日時 2010 年 02 月 25 日 - PM 07 : 28

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