4-25 扇面考 扇面構成
今回はやや字をはなれて、扇面を日本画、能装束などからながめてみましょう。
王朝時代の扇面にばかり気をとられていましたが、扇面はその後の日本美術の中でもユニークな位置を占めています。例えば江戸時代の俵屋宗達(たわらやそうだつ)は謎の多い人物で、彼の素生も明確ではありません。俵屋は「扇屋」だったとも言われています。彼の独創的な垂らし込みの技法や、画面構成は扇面をヒントに創案されたものが多いことを学者は指摘しています。
確かに宗達の扇面図は多く残っています。そこには扇面という特殊な形態のなかに、過不足なく図柄を配置する、という才能が縦横に発揮されています。彼のユニークなところは、それを扇面だけのこととはせずに、四角い紙面や屏風画にも応用したことです。このことは書を配置するいとなみにも参考になるものです。かなの散らしを勉強する人は、宗達の画面構成(コンポジション)にも注意を向けたいものです。

これは有名な「風神雷神図」で美術書に指摘されている「扇面構成」を示したものです。
掲載日時 2010 年 01 月 29 日 - PM 06 : 42
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