4-15 扇面考 再び扇面
扇面の登場は宋以降であることがわかりました。従って唐の時代の扇面というものはありません。王羲之の扇面などがあったら、贋物にきまっています。歴史についてはこのあたりで切り上げて、漢字の成扇を実際に見ながら、考察を進めましょう。

これは明の米萬鐘(べいまんしょう 1570~1628)の行書です。草書のよに見えますが、中国での行書規定の巾は広く、よく言えばおおまかで、この程度なら行書に分類します。南京博物院の珍蔵品。扇面文字作としては古いものと言えます。
五字八行の五律で、最後の行は落款と印。五字と二字の組み合わせです。あちこち(折り目の)谷ではなく山に字がかかっており、おおらかな筆運びです。二字の行は余白を意識したというより、五・二・五・二のリズムを貫くためでしょう。ここに中国の書に対する美意識が自ずと現れていて、面白いところです。
米萬鐘は明の晩期の書人。「明四家」の一人で、南の董其昌(とうきしょう)と並んで「南董北米」と称されています。
掲載日時 2010 年 01 月 08 日 - PM 08 : 02
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