36 文字看板めぐり(15)三原堂≪山崎節堂≫ - 書道コラム

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36 文字看板めぐり(15)三原堂≪山崎節堂≫

null 人形町に来ました。水天宮のはす向かいの角にあるお菓子屋さんです。
 横3間ほどもあろうという長大なケヤキ板に、看板屋のいわゆる「カマボコ彫り」で金箔押しです。都心では最大級かもしれません。
 書は山崎節堂(1896~1976)。私の所属する中央区書道連盟の創始者です。

 鰹節屋の次男で、本名は中(ちゅう)と、一風変った名です。日本橋の有名な鰹節の老舗「にんべん」はご親戚筋だったようです。書は独学にちかく、中国で研鑽、豊道春海の門下ではありますが、あまり影響を受けてはいません。のちに日展の理事になられました。書のほかに金魚の「らんちゅう」の専門家で『金魚秘訣録』(1958刊)という著作があります。

 この看板にはミステリアスな話があります。門下生が江戸橋の先生のご自宅から、この書稿を三原堂にお届けした時は、右から左に、伝統的な左書きだったといいます。しかし看板になった時には、上の写真のように右向きになっていました。組みかえて落款の位置も右にしたらしいのです。そのほうが読みやすいという判断が「どこかで」あったことになります。しかし書き手の立場から申しますと、右書きと左書きとでは、文字の組み立て方もかなり違うはずで、そのような改変はきわめて異例です。先生は温厚な方でしたから、私なら「彫りなおせ!」と怒るところ、ニコニコとお許しになったのでありましょう。

■三原堂 創業は明治10年。初代三原田宗元。
 中央区日本橋人形町1-14-10 03-3666-3333

掲載日時 2008 年 11 月 13 日 - PM 04 : 53

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