35 文字看板めぐり(14)栄太楼≪高林五峯≫
日本橋に来たので、高林五峯の書をもう一つ見ることにしましょう。日本橋の顔ともいうべき「栄太楼」です。うなぎの「宮川」の看板は隷書でしたが、これはどっしりとした行書。
看板の性格上、おとなしい字では人様の目をキャッチできません。オヤ? と思わせる部分が必要です。「太」はわざとバランスを崩して、そういう演出効果をねらっています。書家にはそうした娑婆っ気、山っ気が「ほどよく」なければならず、五峯はさすがに勘どころを押えていると言ってよいでしょう。
先だって「中央区書道展60回記念パーティ」で、神田囃子保存会の日本橋葵会のかたがたにお願いして「獅子舞」などをご披露いただきましたが、獅子の口にお祝儀をはずむと、そのおかえしに獅子頭のついたしゃれた箱が配られ、中には栄太楼飴がはいっていました。「なるほど」と思ったら「そりゃあ日本橋ですから」と獅子の介添えのかたが胸をはって答えました。そういうことです。説明はヤボというものでしょう。
高林五峯(本名は寛)は下町では一世を風靡した書家ではありますが、体系的に書作を集めた本がないため、私には解説できません。どうも日本の書道史では民間の作家は黙殺されがちで、生没年もまだ確かめられません。分かり次第書き込みますが、また二峯、五峯のお弟子さんの系列があるなら知りたいものです。ついでに三峯、四峯はあるのでしょうか。気になっています。
■栄太楼総本舗 創業安政4年(1857) 東京都中央区日本橋1-2-5
03-3271-7780 写真右側の電気のタマが切れています。
掲載日時 2008 年 11 月 07 日 - PM 08 : 50
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