45 ついつい字を見てしまうクセ - 書道コラム

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45 ついつい字を見てしまうクセ

 ついつい字を見てしまうクセの人がいます。日本人ならたいていの人は、ついつい字を見て「読んで」しまいます。で、読んだら意味がわかってしまうので、字から目が離れます。私のいうクセの人は読んだあとでも字から目が離れません。

 おもしろい例をあげましょう。一年生に入学寸前の子が私の書道教室に入門しました。「私に似ないでどうも字が好きなようなので」とお母さんが言います。とりあえず筆の持ち方を教えて、次回からひとりで来るようになりました。(だいたい母親が一緒だと男の子はやんちゃになるので、母親抜きがよろしい)。

 そのころ教室には町田由溪さん(このサイトの会員作品でおなじみ)の書いた「篆書」の軸を飾っていました。それを見て「これを書きたい」とそのボウヤが言うのです。紙と鉛筆を与えると見よう見真似で篆書字形を写しはじめました。けっこう似た字になっているので思わず笑ってしまいました。

 この子は「読めない字」を書いたのです。(漢字だってまだ習っていないのです)。純粋に字形に関心があるとしか言えません。これこそ「読んだら目が離れる」人と違うところです。大人は不幸にも読めてしまうので、自分は「ついつい字を見る人間なんだ」と思っているふしがありますが、実は見てはいないことが多いのです。

 字を見るクセの人は他人の書いた字をよく見ます。街を歩いていて看板の字の出っ張りや、へっこみに気を取られます。どうしてだか分かりません。字が好きなのでしょうか。好きで見るのなら食べ物のほうに目が走るでしょうに。
 これはクセとしか言えません。このクセのある人は上手にこれを拡大して、打ち上げの軌道に乗せればいかがでしょうか。

掲載日時 2009 年 07 月 25 日 - PM 06 : 17

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